糖質制限の是非についてー江部先生のブログから

10日ほど前ですが、7/25の江部先生のブログにこんな記事がありました。

糖質制限について
https://ojyokoita.blog.fc2.com/blog-entry-921.html
こちらのブログで糖質制限について論文を用いて危険性について書かれています。
江部先生のブログもこちらのブログも両方全て読みましたが、
言っていることが違う点が多々あり混乱しています。
どちらが正しいのかわからず、色々自分なりに調べても
結論を見出だせず毎日何を食べたらいいのかわからなくなり苦しいです。
江部先生からみて何か反論するところはありますでしょうか。

苦しくなってしまっては、それがストレスになって不健康になってしまいそうです。
気持ちはよくわかります。私も一時は何が何だかわからないと、専門知識がないのに論文を読んだりあれこれ考えたりしていました。
その反動か、最近はあまり関心がなくなってしまいした。

日本だけでなくグローバルにたくさんの研究や調査がされていて、医学的にはどちらのエビデンスもあるようです。
たくさんの研究や調査がされているのは、結論が定まっていないから、とも言えます。水の沸点が100℃であるか、とかフレミングの左手の法則とか、何でもいいのですが、科学的に結論が定まっていればそのこと自体を肯定、否定する研究は行われません。
結論が定まらないからいろんな研究が行われ、正反対の結論が出たりしています。
角度を変えてみると、今のところ糖質制限の是非について解明する力がない、とも言えます。

そのように突き放してみると、糖質制限の是非の主張というのは、それぞれが自分にの都合のよい(つじつまのあいそうな)データ、根拠を使って論じているだけ、とも見ることができます。(それぞれが自分に都合の良いデータを持ってくるから、同じデータでの議論でないからますますわからなくなります。)

それぞれが自分の考えに沿った主張をしているのであれば、、糖質制限を推奨する江部先生に何か反論はありますか?ときくのは

「自民党と共産党の考えが異なりますが、そのことについて自民党さん、反論してくれませんか」と尋ねているようなものではないでしょうか。

自分が安心するための材料が欲しいのではないかと勝手に想像してしまいますが、もしそうなら、残念ながら糖質制限が正しいとは言い切れない(証明はされていない)ことを認識した方が良いのではないかと思います。

そうなると、結局自分で決めるしかないし、それは何を信じるかであって、是か非かに関する科学的な唯一の答えは今のところないのだ、ということになります。

冒頭で引用した苦しんでいらっしゃる方もきっと自分のこととして真剣にインターネット情報を読み、どちらが正しいのかお考えだからこそ悩んでしまのだと思います。

それぞれが自分が正しいという主張をし、かつその根拠として事実である研究調査を持ち出す、専門的な解説をされると、素人はお手上げです。
もっともらしく専門知識を持ち出して主張されたら素人にはどちらが正しいのかわからないのが当たり前ではないでしょうか。

ひねくれた見方かもしれませんが、真実が特定されていないのにあたかも真実のように主張しているのだ、とみると、素人でも、その主張をうのみにできない部分がわかってくることもあります。

冒頭の記事の続きで江部先生は、

確かに、ネット上には情報があふれていて、どのサイトが信頼できるのか
判断が難しいことも多々あります。

ネット上で、一個人が何を言うかは個人の自由です。
しかし、例えば米国糖尿病学会の見解と
一個人の意見ではエビデンスレベルが全く異なります。
いわば、「月とスッポン」くらいの差ですので、惑わされないようにしましょう。

『米国糖尿病学会が
「成人糖尿病患者の食事療法に関する声明」で糖質制限食を正式に容認』

このように、米国糖尿病学会は2013年10月、
「成人糖尿病患者の食事療法に関する声明」で
糖質制限食を正式に容認しました。
すなわち、長年の『糖質制限食の是非論争』に関して
国際的には是として決着がついたと言えます。

このように述べていらっしゃいます。糖質制限肯定派の皆さんには怒られそうですが、これはいいたいことはわかりますが、説明にはなっていないな、と思います。

「糖尿病の専門家の集団である糖尿病学会は、炭水化物60%程度のカロリー制限が唯一の食事法であると言っている。一人の医師が主張する糖質制限は『月とスッポンの差』です。一個人の意見ではエビデンスレベルが全く異なります。惑わされないようにしましょう。」

というのと何ら論理的には変わらないと思うのです。

私は、もともと、この記事の意図は?、そもそもなぜこのようなブログを書くのか?、is not はないのか(主張と異なる事実はないのか)と疑ってみる習性があるのですが、糖尿病関連、糖質制限関連の情報は、そんなひねくれた見方が結構役に立つというか、そういうふうに読まないと振り回されてしまうことがあると思います。

コメント

  1. しらねのぞるば より:

    「糖質制限を推奨する江部先生に,糖質制限否定派のブログなどを示して回答を求める人は,どういう回答を期待しているんだろう?」とは,私も感じたことがあります.

    いくら何でも 江部先生が「なるほど,私が間違っていました」と言うのを期待しているとは思えませんから,「あなたの引用したブログは間違っています(又は 信頼に値しません)」という回答になるに決まっているはずです. つまり,江部先生に尋ねる前から,その回答はまったく予測できるのに,そこをあえて質問する意図が 本当に不可解です.

    実は 江部先生のブログコメントに,冒頭のような質問を書き込む人に対して『あなたは そんな質問をして何を期待しているのですか?』と,逆質問してみたい誘惑には何度もかられています.

    糖尿病の食事療法に限りませんが,他人のことならいざ知らず自分自身の健康と生命にかかわることなのに,どうして 重要な決断を 自分の主体的判断ではなく 他人の言動任せにできるのでしょうね.自分では判断できないというなら,まだしも医者任せにしたほうがましだろうと思うのですが,こういう質問をする人は,医者の言うことを信じられないからそうしているのだと思われます(医者の診断を信じているのなら,そもそも悩まないはず).

    まことに不思議な人たちです.

    • ホリデー より:

      しらねのぞるばさん
      コメントありがとうございます。
      ゾルバさんの感じていること、共感できます。

      また、追加で記事にしてみます。