グルカゴンより気になること

グルカゴンが糖尿病の真の原因なのかもしれません。そうなるとパラダイムシフトが起こるかもしれません。
そしてその結果2型糖尿病が治癒できればめでたしめでたし、です。

しかし、当面、それより気になるのは、2型糖尿病の私は今の糖質制限を続けたら、よくなるのか、現状維持か、悪くなるのか、その根拠・裏付けになるデータが欲しいところです。

江部先生は、「グルカゴンの反乱」に関して、8/14のコメントで以下の記載をされています。

名著と思います。
私も読みました。
とても参考になりました。

現実に、私も含めて、スーパー糖質制限食で、
ほとんどの糖尿人が、薬なしか最低限の薬で血糖コントロール良好となります。

また、米国糖尿病学会、2019年4月の『コンセンサス・レポート』で
糖質制限食にエビデンスが最も多いことを述べています。

ということで、
私は、スーパー糖質制限食で、血糖コントロール良好が保てると思います。

逆に、糖質を摂取して、血糖コントロール良好を保つことは極めて困難です。
糖質を摂取すれば『食後高血糖』『平均血糖変動幅増大』という酸化ストレスリスクを
予防することは困難で、合併症予防も困難です。

スーパー糖質制限食で、ほとんどの糖尿人が、薬なしか最低限の薬で血糖コントロール良好になるという主張ですです。

糖質を摂取して、血糖コントロール良好を保つことは極めて困難としていますが、PBWFでうまくいっている人もいるし、カロリー制限や、運動主体でもうまくいっている人もいるようなので、「極めて困難」はどの程度なのか知りたいところではあります。

何%の人が糖質制限で血糖コントロール良となりそれがキープできるのか、あるいは、血糖コントロール良となる人とならない人の違いならない人の違いはないか量となるのか、、、、

鈴木医師は、2018/9/25のブログで、ニールバーナード博士らの論文のVeganのHbA1cが当初下降するがその後緩やかに上昇する傾向について、

糖質制限の場合は入っていませんが、おそらく同じようなカーブを描くのではないかと推測されます。

自験例では初期(3か月から半年)には確かに目覚ましい効果がみられる患者さんが多いものの、その後は徐々に数値の上昇に歯止めがかからなくなる人が多く、元の数値に戻ってしまったり、元の数値以上に悪化してしまった人もいます。
残念ながら何とか維持できている人の方が少数派でありました。

鈴木医師は江部先生の方法を学んで参考にしていたようですから、ほぼ同じ方法を取っていたと仮定すると、一方は血糖コントロールできるといい、一方は維持できる方が少数と言っています。

ここが気になるところです。
論文でなくても、自分の患者について定量的なデータを示してくれると、判断材料になってありがたいのですが、どちらも定性的なコメント以外のデータを示してくれていません。

同じ方法を取りながら、これだけ判断が異なるのは不思議です。糖質制限と言っても同じ方法ではないと考えるのが妥当なのでしょうか。

私は、食後の血糖値(ピーク値≒私の場合食後60~75分後)が180以下を目標に糖質量をコントロールしてきました。その結果、糖質15g/食が安全圏と思っています。

糖尿病発覚時 HbA1c 9.6
6か月後 HbA1c 6.0
7~16か月 HbA1c 5.9
17~20か月 HbA1c 5.7(メトホルミンを飲み始めた効果かも)

という状態です。今のところ、血糖コントロールが悪くなる兆候はないようです。

コメント

  1. highbloodglucose より:

    両者の意見が食い違うのは、元になる前提が違うからでしょうね。
    江部医師の前提は、
    ・できるだけ1日を通して血糖値の変動がないようにする
    ・血糖値スパイクが問題である

    デメリットとしては、
    ・スーパー糖質制限は生理的インスリン抵抗性を引き起こし、少しの糖質摂取で血糖値が上がりやすくなってしまう
    ・糖新生を亢進させるためグルカゴンの作用が強く出やすくなり、暁現象などで朝の血糖値が高くなりやすい
    という可能性があります。

    それに対し鈴木医師の前提は、
    ・(スーパー糖質制限がNG食材とする)麦や豆類に含まれる水溶性食物繊維を摂取し、腸内細菌(酪酸菌?)を増やしてGLP-1分泌を誘導させれば、グルカゴンが抑えられる
    ・そのため、インスリンの効きがよくなる(見かけのインスリン感受性が高くなる)

    理論としてはそうだと思うのですが、この食生活を続けると糖質制限グループより朝の血糖値が低くなるのか、実際にGLP-1の分泌が増加しグルカゴンの分泌が減少するのか、そういうデータがあるのかどうかわたしは知りません。

    デメリットとしては、
    ・たとえ「質のいい」糖質であろうが、食後の血糖値が上がること
    なのですが、

    ・食後の血糖値はピークで200を超えない、2時間値で140以下であればたいした問題はない

    というのが鈴木医師の大前提です。

    つまり、血糖値スパイクをどう考えるかが違うんですね。
    江部医師は、1日の血糖値がフラットであれば血糖コントロールが良好に保てていると判断するでしょう。
    一方、鈴木医師は、食後血糖値が上がっても、平均血糖値が低く保たれていれば良好であると判断するでしょう。
    これでは両者の議論はかみ合うことはないでしょうね。
    あとは患者がどちらの主張にシンパシーを感じるかじゃないでしょうか。

    ニール・バーナード博士らの論文についての件は、単に遵守率の問題だと思います。みんな、厳しい食事療法(運動療法でも)守り続けるのが困難なんですよ。だから、守れなかった人の数値が上昇し、それが全体のデータを押し上げるわけです。
    ヴィーガン食でもPBWFでもスーパー糖質制限でも、きっちり続けられれば血糖値も維持できるのではないでしょうか。