エビデンス?-週刊新潮の記事への江部先生の反論に関連して

糖尿病治療を糖質制限で行おうとする患者は、糖尿病について最も専門知識を有し正しい見解を持っている(はず)の日本糖尿病学会の見解や、その医師の指示・指導と異なる方法を行うわけですから、自分の治療について医師の言うことに頼るのではなく、自分で考え自分で決める必要があります。

ですから、糖質制限を行っている糖尿病患者には、糖尿病について自分なりに勉強をし、ネット情報を集め、管上げている人が多いのではないかと思います。私のブログにコメントしてくれたモン吉さんも相当の知識をお持ちで自分の考えをお持ちのことが伝わってきました。また同じくコメントをいただいたnekoさんも糖尿病患者ではないようですが、「分子栄養学などについて読んでみると」など雄等の知識をお持ちであることやはっきりしたご自分の考えをお持ちなのだなあと感じます。私もそうなりたいものです。

糖質制限についての否定的な情報があると(たとえば最近であれば週刊新潮の糖質制限反対記事をみると)、私の場合、江部先生のブログを真っ先に見ます。江部先生のブログを見ると話題になった糖質制限への反対論については、それについての明確な反論が掲載されていることが多く、なるほどなるほどと、自分の理解が深まり安心します。

しかし、これは、自分で考えているつもりで、じつは江部先生の見解をうのみにしようとしている、あるいは、糖質制限が良いという前提に立ってその証拠を集めようとしているだけではないか、と思ったりもします。自分がすでに糖質制限は超尿病治療にも健康にもよい、長期的にも安全だと半ば信じ、さらにその考えを強固にしたいのでそれに都合のよい証拠だけを集めようとしているような気もするのです。糖質制限が正しいものであってほしいという気持ちがあるのは間違いありません。

であるからこそ、江部先生のブログに書かれていることも鵜呑みにしないで考える、ということを意識するようにしています。そうするといろいろ気になることも出てきてすっきりしない気分になることがあります。
今日、ドクターシミズのひとりごと見ていて、そうだよな、とホッとしました。

ブログの内容の一部を転載すると、

以前江部先生のブログで、ターザンの2018年4月12日号に掲載された山田悟医師との対談の記事がありました。

このように対談はかみあったのですが、
一点だけ、エビデンス(EBM)に関しては、見解の相違がありました。
山田悟医師は、EBMを大変重視しておられ、医学界においては
エビデンスがないと医療は語れないという立場です。
つまり根拠となる医学論文がないと信頼できないという見解です。

私は、私はEBMを無視することはないけれど
それだけを重視すれば、真実を見失うことがあるという立場です。
例えば生理学的事実が明確であれば、それを根拠に論理的に展開していけば
科学的真実にたどり着けると思います。

このとき江部先生はエビデンスだけを重視しているわけではない、との立場でしたが、今回の週刊新潮の糖質制限批判の記事には黙っていられなかったのでしょう。東洋経済オンラインで猛烈な反論をされています。(記事はここ)ここではエビデンスがないものは科学ではないとおっしゃっています。

(転載終わり)

あるときは、エビデンスだけを重視しない、といい、ある時は、エビデンスのないものは科学ではない、というのは、論理矛盾とまではいいませんがすっきりしないところはあると感じます。

それ以上に私が感じていたのが、江部先生の論が?と思うようなときに、そのことに対しての疑問や指摘がブログ内のコメントや他の糖質制限賛成派の先生のブログにもないなあ、と感じていたことです。江部先生がご自身への反論を認めないということではないと思うのですが、江部先生に賛同する人が江部先生に拝領するあまり疑問を呈さない、となるとちょっと怖いなあと感じていました。

転載させていただいた清水先生の著作の帯には江部康二先生推薦、と記載されているので、糖質制限について共通の立場の先生だと思われます。そういう立場の人がこのような”突っ込み”を入れる、というのが健全な姿のように感じホッとした次第です。

 

 

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