命は自己責任

糖尿病食事療法日米比較、まだ続くのですが、今回はまったく別の話です。

日本経済新聞に長く続いている「私の履歴書」という連載があります。
現在、女優の岸恵子さんの話です。
5/3の第3回
『横浜空襲-防空壕を飛び出し助かる、「ここにいたら死ぬ」大人振り切り』
から一部引用します。

逃げ惑う人たちが公園の土手を掘った急ごしらえの横穴の防空壕に向かって殺到していた。私はその流れに逆らって走った。母は「公園に逃げろ」と言った。「防空壕に入れ」とは言わなかった。・・・・・・・・・若い兵隊が怒鳴った「お前はこんなところで何をしている!子供はみんな防空壕に入るんだ」・・・砂利道を引きずられ、放り込まれた防空壕は子供や大人たちでひしめいていた。土を掘ったままの暗い穴を見た瞬間、「ここにいたら死ぬ」と思った。止める大人たちを振り切り、私は地獄の中に飛びだした。・・・・・・

岸恵子さんは当時12歳です。記事を読むとすごさ、むごさが伝わってきたように感じました。
この回の最後は以下で締めくくられています。

防空壕にいた人のほとんどが爆風と土砂崩れで死んでいった。大人の言うことを聞かずに飛び出した私だけが助かった
「もう大人の言うことは聞かない。今日で子供をやめよう」と私は思った。

コロナウィルスについて何が正しいのかわかrないが、感染して発熱して病院食などを食べると高血糖状態が継続して命に係わる可能性もかなりあると感じている今だから、この空襲の大変さについて身にしみて感じたのかもしれません。空襲の大変さと比べるほどのことではないでしょうが。

私が読んでまず思ったのは、この記事のタイトルにした「命は自己責任」ということです。
私が思う「自己責任」とは、自分しか引き受けようのないことである、という意味です。

岸さんの判断の正しさは結果論であって、全く逆に岸さんだけが命を落としたかもしれないわけですが、どのような判断をだれが行うにせよ結果は自分に降りかかるし自分で引き受けることだ(引き受けるしかない)というのが 命は自己責任 の意味です。

糖尿病も同じだと思います。どんな食事療法でも運動療法でも薬でも、医師の指示通りに対処しても、自分で考えて対処しても、結果は自分で引き受けるしかありません。私は自分なりに学んで考えて自分が納得できる方法で結果を引き受けていきたいと思っています。

糖尿病対処について絶対の正解が解明されているわけではありません。糖尿病患者は、自分が選択している方法が正しいのか、5年後、10年後に間違っていた、ということにならないか、という不安を持つ方が自然だと思います。医師の言うとおりに対処していて、本当はに大丈夫だろうか、と思う人もいるだろうし、私のように日本糖尿病学会の方針と異なる方法をとりつつ、どこかで、本当にこれでよいのか、という不安は持つ人もいると思います(私にはそんな不安があります)。不安がろうがなかろうが、糖尿病患者は誰でも自分の結果を自分で引き受けるしかないわけです。そう考えると、リスクを背負いながら対処している糖尿病患者に対して、自分と異なる方法だからと非難したり否定することはしてはならないことだと思います。ブログ記事がそのように受け取られないように注意する必要もあるなあと改めて思います。

岸さんは「もう大人の言うことは聞かない」と思ったとのことですが、いう事を聞かないにせよ、大人たちの判断の影響は受けざるを得ません。大人たちが戦争しない判断をしていたら、昭和19年までに敗戦を決めていたら、空襲にあうこともなかったはずです。命は自己責任なのに、自分以外の影響を受けざるを得ません。

私の糖尿病対処でいえば、日本糖尿病学会の方針と異なる食事方法を選択していても、自分で食事を選択できない状況になったら(それこそコロナで感染して入院するとか)、日本糖尿病学会の定める糖尿病食しか認められず、高血糖でダメージを受けることは残念ながら覚悟せざるを得ないようです。

 

コメント