栄養士による2型糖尿病の栄養指導は不要だと思います。その2

栄養士による2型糖尿病の栄養指導は不要だと思うという私の記事に管理栄養士さんからコメントをいただきました。

コメントを読み、以前の自分の記事を読み直しました。栄養士を否定しているわけではないのですが、そのように受け取られたのかもしれません。あいまいな書き方をしたのかもしれません。コメントの全文を掲載し、私の感想は最後に書きます。

コメント失礼します。病院で管理栄養士をしている者です。
管理栄養士は、単に栄養学だけ学んでいるのではありません。医学的知識も持ちあわせていないと指導をすることはできません。私の大学では1年間で一通りの医学的知識(医学総論、医学各論)を学びました。
そして運動療法についても必須授業として学びましたし、国家試験では運動についても、病気のことについても栄養以外の内容であっても出題されます。
そしてそういった知識を身に着けたうえで栄養学と結び付けて指導を行っています。また、栄養指導はドクターの指示を受けて行っているので、無責任に適当に言いたい放題やりたい放題指導をしているわけではありません。
また、医者や看護師も大学で一通りの栄養学を学びます。
違う職種なんだからと思われても仕方ありませんが、医療者として多職種の専門知識もある程度身に着けておかなければ患者様の治療はできません。「チーム医療」という言葉がいまの医療の世界では重要視されており、よりよい治療をするために多職種で勉強会などもおこなっています。
ネットでいろんな知識が拾える時代ですが、必ずしもすべて情報が正しいとはいえないので、専門者が監修しているサイトを利用するなど気を付けていただければと思います。(分かっていらっしゃったらすみません…)

このコメントを私なりに要約すると、
管理栄養士は、栄養にだけでなく医学や運動療法も大学で学んでいる
「チーム医療」で多職種で勉強会なども行っている。
ネット情報は正しいとは限らない
ということと理解しました。
学生時代に必要な専門知識を学び、かつ現在も研鑽を積んでいらっしゃるということであると理解しました。

しかし
大学で専門的知識を学び、仕事をしながらさらに常に研鑽を積むのは
専門的知識とスキルを必要とする仕事ならどんな仕事でも当たり前ではないでしょうか。
お金を支払う立場としては、「私には専門知識があります」といわれても so what? です。時間とお金の対価として自分の治療にどれだけ有効か、が問題ですから。

患者として、二人の栄養指導を受け、有料で時間を取って受ける価値はなかった と私が感じていることをお伝えしています。
あくまで「私は」の主観的主張です。

現在の日本の、糖尿病治療の栄養指導は、本当に患者の役に立っているのでしょうか?
栄養指導によって、患者は糖尿病が改善しているのでしょうか?

コメント

  1. しらねのぞるば より:

    私は 管理栄養士の国家試験問題に毎年挑んでいますが,ほぼ全問正解できます.もちろんこの試験は,管理栄養士として基本的な知識を問うものであって,これが管理栄養士の医学・薬学・栄養学知識のすべてだとは思いませんが,この程度のことなら,自らの糖尿病を克服しようと必死になっている糖尿病患者が身に付けているのは当たり前です.『私たちは専門家だ,患者は常に無知だ』と決めつけるのは間違いでしょう.

    さらに,昨年(第32回)の試験問題を見ると;
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000199813.html

    午後の第124問:
    54歳体重50kgの糖尿病 女性事務員の最適な食事は,1500kcal,炭水化物66%が正解

    などと,糖尿病学会が 極端な低カロリー食は誤りであったと検討を開始しているまさにその最中に,いまだにこれが『正しい専門知識』とされているのです.

    米国に行った時に,たまたま奥様が登録栄養士(Registered dietician),つまり日本の管理栄養士にあたる人がいて,先方宅のDinnerに招待された際,詳しく話をうかがうことができましたが,

    米国の登録栄養士と,日本の管理栄養士を比較すると;

    [米国]
    資格は免許制であり,資格取得試験だけではなく,5年毎に最新医学知識でUpdateしていないと登録抹消される.単に栄養管理実務だけでなく研究分野に進み,学会・論文発表などで,博士号取得,キャリアップをめざす人も多い.

    [日本]
    大学で所定の単位を修めた後,国家試験に一回合格すれば,終身資格となる.

    全然レベルが違いすぎました.

    たしかに管理栄養士国家試験に合格できる人ならば,通常の医学文献,薬学文献を読み解くのに必要な基本知識はお持ちでしょう.
    しかし,その基礎スキルをベースにして,卒業後最新の医学文献を読んでUpdateしている人が,いったいどれほどいるのでしょうか?

    毎年 日本病態栄養学会に参加していますが糖尿病では毎年40件ほどの発表,そして各種学会誌での報告,これが日本の栄養学における学術報告のほぼすべてではないでしょうか.まして海外医学誌でAcceptされた論文となると,東大の佐々木敏先生が言われたように『国際的な学術報告の1%にも満たない』(2018年 第61回日本糖尿病学会 シンポジウム31-2)という有り様です.データ栄養学の専門家であり,来年度発表の 厚労省:『日本人の食事摂取基準 2020年版』策定委員でもある佐々木先生も嘆くレベルなのです.

    • ホリデー より:

      しらねのぞるばさん

      管理栄養士の試験を受験されているとは、、、ぞるばさんは本当に糖尿病について多くの角度から学び知識をお持ちなのですね。圧倒されます。