メトホルミンに関する情報-続き

メトフォルミンと運動は、相互作用でプラスに働くのではなく、運動の効果を損なう、という情報について追加のコメントをいただきました。
私一人で知っているだけ、というのももったいないと思いますので紹介します。
追加のコメントをいただきました。

私は現在海外在住の為コメント欄では投稿できないのでこちらにコメントさせてもらっています。

海外からは、コメントとができないのですね。問い合わせページつくっておいてよかったです。

私も昨日考えたのですが、これは非糖尿人の方がアンチエイジングの為には?であり、糖尿病の人では得られるベネフィットの方が多いから夫には続けてもらおうと思います。一番期待しているのは抗がん効果とAGEs産生を抑えることです。

 メトホルミンと運動による血糖値降下については、かなり前ですが、メトホルミン服用で高強度の運動を長時間したら血糖値はどうなるかの実験では、予想に反して上昇したというのがあります。過去に日本人のパーソナルトレーナーもメトホルミン服用では血糖値が予想外に出るので服用を止めたとブログに書かれていました。ホリデーさんも良く運動されるのでそういうこともあるのかも知れませんね。
 ブログを良く更新されている方でメトホルミン服用されているのは<高血糖な日々>のHighbloodglucoseさんのお二人なのですが、こちらはあまり運動に力は入れておられないようなので、ホリデーさんにコメントさせていただいた次第です。
 なおHighbloodglucoseさんとはメトホルミンでVB12不足リスクで少しやりとりさせてもらって、彼女は日本人対象の研究で750mg以上でリスクが上がるのを教えていただきました。もしみておられなかったらご注意くださいね。

貴重な情報をありがとうございました。日本語以外の情報はなかなか積極的に見に行かないので、このような情報をいただくだけでもたいへんありがたいです。

この件について、しらねのぞるばさんが元の論文を読んだうえで、コメントしてくれました。
これもありがたい限りです。

この記事の元になった原論文を読んでみたのですが;

Metformin inhibits mitochondrial adaptations to aerobic exercise training in older adults
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/acel.12880

筆頭著者のAdam R. Konopkaという方は,高齢者の有酸素運動と筋肉の関係だけを専門としているようで,多数の論文を出しています.

この論文でもっとも疑問を感じたのは,Placebo群とメトホルミン群の BaseLineにおいて(Table 1),試験開始前では 性別比,年齢,体重,BMI,総脂肪量,体幹脂肪量,脚脂肪量,除脂肪体重に至るまで,両群をピッタリと揃えているのに,

空腹時血糖値
プラセボ群 96±1
メトホルミン群 104±3

空腹時インスリン
プラセボ群 8.3±1.0
メトホルミン群 10.1±2.1

HOMA-IR
プラセボ群 1.8±0.3
メトホルミン群 2.4±1.1

などと,明らかにメトホルミン群の方が試験開始時点で,耐糖能・インスリン抵抗性の悪い人に偏っている点です. 運動の効果は試験前後で有意差検定しているとはいっても,最初から耐糖能のいい人と悪い人とを比較したのでは意味がないだろうと思いました.

HOMA-IR(インスリン抵抗性)は

プラセボ群 1.8±0.3 → 1.2±0.2
メトホルミン群 2.4±1.1 → 1.8±0.7

といずれも低下しています。12週の有酸素運動でいずれもこれほど低下するのは、BMIが平均で30~31という高さゆえでしょうか。

二重盲検法で、プラセボとメトホルミンを無作為に選択しているとのことなのので、ぞるばさんの指摘する両群の差がでるのは、データ数の少なさ(プラセボ26 メトホルミン27)によるものかもしれません。統計的に有意と言っても、まあ、トータルとして結果のデータの信頼性も?のような気がします。

このような比較研究は、データの内容を見ることがやはり重要ですね。

コメント

  1. highbloodglucose より:

    わたしもメトホルミンを服用しているのでホリデーさんのブログ記事が気になっていました。
    続報だ!と思って来てみたら、自分の名前があってビックリ。
    彼女からのコメントだったのですね(一応名前を伏せておきます)。
    >こちらはあまり運動に力は入れておられない
    鋭い指摘、当たりです(笑)
    でも、とても興味深い情報でした。
    こういう情報のやり取りができるのがブログのいいところですね。

    わたしも論文をダウンロードして、脂肪肝シリーズが終わったら読もうと思っていました。
    しらねのぞるばさんに先を越されてしまいましたが、
    わたしも自分の目でデータを確かめてみようと思います。

    • ホリデー より:

      highbloodglucoseさん
      お久しぶりです。
      メトホルミン、N=1のデータは今後も出そうとは思っています。がSGLT2阻害薬のように飲んでその日に血糖値が下がるというものではないので、効果もよくわからないですね。

      >しらねのぞるばさんに先を越されてしまいましたが、
      >わたしも自分の目でデータを確かめてみようと思います。

      highbloodglucoseさんが読んで面白い点があればいいですね。
      論文の全文が公開されていること自体は、ほんとにありがたいことですね。
      日本は、権威的な学会ほど公開していない(私が業務上関係している人文社会科学系の分野では、ですが)
      感じがするのとは違いますね。