しらねのぞるばさんが、私の朝の血糖値上昇に関連して、ご自身のデータを記事にしてくれました。こんなふうにして自分以外のデータと比較できると、似ている部分、異なる部分がわかります。ほかの人も同じなのだ、というのは安心材料になることもあります。違いも興味深いです。
それがすぐに対処法につながるというものでもないですが、自分が糖質制限を続けるとどうなるのだろうか、の予測の参考にはなりそうに思えます。
私の朝の血糖値上昇の傾向推移
さて私の朝の血糖値の傾向のデータを再掲します。
赤が起床時の自己血糖測定値(平均)、青がクリニックでの測定値(起床後2~2.5時間)です。
昨年の10月ころ以降起床時血糖値は110程度で安定しています。(改善がみられません。一方、クリニックでの血糖値はほぼ一貫して125前後です。
実際のデータは、以下の通りです。
クリニック | 起床時自己血糖測定 | |||
平均 | 標準偏差 | 件数 | ||
2018/12 | 126 | |||
2019/01 | ||||
2018/02 | 126 | 134 | 14.5 | 14 |
2018/03 | 124 | 127 | 7.5 | 23 |
2018/04 | 126 | 130 | 9.7 | 28 |
2018/05 | 121 | 7.7 | 28 | |
2018/06 | 125 | 117 | 7.5 | 17 |
2018/07 | 120 | 4.7 | 30 | |
2018/08 | 122 | 6.8 | 24 | |
2018/09 | 130 | 116 | 5.6 | 18 |
2018/10 | 108 | 9.0 | 28 | |
2018/11 | 126 | 110 | 6.2 | 29 |
2018/12 | 105 | 6.8 | 27 | |
2019/01 | 126 | 108 | 5.0 | 28 |
2019/02 | 109 | 5.9 | 25 | |
2019/03 | 119 | 106 | 5.0 | 23 |
2019/04 | 110 | 7.0 | 24 | |
2019/05 | 109 | 6.0 | 12 |
起床時(110前後)からクリニックでの測定(125前後)(起床後2~2.5時間)への上昇について、ぞるばさんからは、暁現象ではなく午前中の交感神経亢進によるものであろう、との指摘をいただき、なるほどと思った次第です。
暁現象であっても交感神経亢進であっても血糖値が上がる主原因は、肝臓でのグリコーゲン分解による糖新生と思われます。
できれば、非糖尿病の人のように、血糖値の上昇が起こらないようにしたいものです。(空腹時血糖値が125前後まで上昇することが、健康をむしばむものか、合併症のリスクを高めるものなのかはわかりませんが)
しらねのぞるばさんの血糖値上昇との比較
ぞるばさんも
数年前 まだ起床時の血糖値が不安定だった頃には, 朝から何も食べないでいると,さらにじわじわと血糖値が上昇していくことがありました.
とのことです。私の現在の血糖値の上昇と比較してみました。(ゾルバさんの記事のグラフを勝手にコピーさせていただきました。)
実線がぞるばさん、点線がホリデーです。
ぞるばさんは、じわじわ血糖値が上がりますが、私は、125前後まであがるとその後はそれがキープされるか徐々に少しずる下がっていくイメージです。ただこれは一日中食事をしない状態を続けないと測定できないので、たまたま朝食を抜いた日の昼食前の血糖値(サンプルごくわずか)からの推測です。
空腹時血糖値の維持機能?
赤の点線は最近の私(起床時血糖値が110程度)ですが、起床時血糖値が高かった1年前をイメージした線を加えてみます。下の青い線です。
表で示したデータを見ていただいてもわかると思いますが、起床時血糖値が130を超えていても、110であっても、2時間後には125前後になります。
どんなメカニズムが働いているのかわからないのですが、ひょっとすると、私の体のホメオスタシス(恒常性維持機能)は、体へのエネルギー供給のために血糖値を125前後にしようとするメカニズムを持っているのではないでしょうか。
そして食事をとると血糖値が上がるので体へのエネルギー供給は行われたと認識して数時間はエネルギー供給を休む、そのために食後血糖値は3~4時間で100~110まで下がります。
先日、出張先で朝食、昼食をとることができず、結果的に24時間のファスティングを行いましたが、その時の血糖値は、起床時106、正午128、夕食前106でした。食事をとらないと125前後をキープしようと糖新生を行うが、短期的に使えるグリコーゲンのストックがそれほど多いわけではないので数時間で糖新生は止まって、血糖値が徐々に下がる、ということが起こっているような気がします。(根拠レスの妄想です)
空腹時の血糖値の抑制対策
ではどうしたらよいのか、ですが、一つはメトホルミンによる糖新生の抑制です。今のところ起床時血糖値の改善には効果が出ていないようです。起床後の糖新生については効果が出ているのか何ともわからないのですが、3月のクリニックでの血糖値が119と初めて120を割り込みました。もしかしたらメトホルミンの効果かもしれません。一度だけのデータでは何とも言えませんが。
もうひとつ、妄想的ではありますが、私の体に血糖値を125前後に維持しようとするメカニズムがあるのであれば、それは糖尿病による高血糖の継続によってできたものであるのではないかと思います。私の体が「いつもの血糖値に近づけよう」と頑張っているという仮説です。となると、空腹時血糖値が低い状態を継続する=体が覚えることで、「120程度でもいいんじゃないか」「いやいや110くらいでも大丈夫そうだ」というふうに徐々にからだのメカニズムが変化してくれるのではないか、そんな期待をしています。
と糖尿病患者が糖質制限を行うことで、短期的に食後血糖値上昇を抑えるだけでなく、中長期的に空腹時血糖値も下がることがあるようです。ぞるばさんの事例(3/12の記事)がそれを端的に示す事例と思います。
血糖コントロールの継続が血糖コントロールを改善するという好循環をうむのではないでしょうか。そうなってほしいという願望が入り込みすぎているのかもしれませんけど。
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