SGLT2阻害薬(ジャディアンス10mg)の血糖コントロール効果は?

糖尿病に限らず、なるべく薬を飲みたくないという考えを持っています。
以前に記事 糖尿病で糖質制限をする人としない人の違いは何かに書きました。

その記事を書いてみて、不思議とあまりこだわらなくてもよいのではないか、と思い始めました。
糖質制限で糖尿病治療を行っているわけですが、
薬を飲まないことが目的ではなく、血糖コントロールすることが目的でもなく
健康に楽しく暮らすことが目的です。

健康に暮らすために薬の服用が有効なら時には薬を飲んでもよいのではないか、と考え方を少し軌道修正しました。
私の場合、数日間の宿泊研修など提供された食事をいただき、自分で選択できないときがあります。
また、旅行の際にも家にいるときよりは糖質制限を行いにくいときがあります。

宿泊研修や旅行の時など糖質制限が難しいときがあるので、その時に限って薬を飲むことはできないか診察の際に主治医に相談してみました。
いろいろ話したのですが、主治医がOKを出してくれて、SGLT2阻害薬ジャディアンス10mgを2週間分処方してもらいました。
(主治医からはDPP-4阻害薬でもよいのではないかと提案もいただいたのですが、DPP-4阻害薬は、最初のこと処方されてほとんど飲まなかった薬が2か月分以上残っていることもありSGLT2阻害薬を希望して処方してもらいました)

SGLT2阻害薬とは

近位尿細管でのブドウ糖の再吸収を抑制することで、尿糖排泄を促進し、血糖低下作用を発揮する
体重低下が期待される
インスリンとは独立した作用を示すため、単独使用では低血糖をきたす可能性は低い。
(糖尿病治療ガイド2016-2017 日本糖尿病学会 編・著 より)
*SGLT2は、腎臓の近位尿細管という場所に限定的に存在しているのが特徴
*近位尿細管は、血液中から取り出して必要なものを体内に取り込み、不要なものを尿として排泄する働きをする

単純化すると
薬で糖尿を作って糖を体外に出すことで血液中の糖分を減らすということのようです。

腎臓の働きに作用する薬なので、腎臓が弱っている場合には使えない弱点がありますが、膵臓とは無関係なので膵臓を使わず(休めたままで)血糖値を下げることができるという優れものです。
主治医によれば、じんましんとか口内炎などの副作用が出ることがある、副作用が出る場合は1日で出る場合もあれば2週間後に出る場合もあるということでした。
尿を出す薬なので、脱水症状を起こさないように、水分の補給はしっかり行うこと(普通にとればよい)とのことでした。

SGLT2阻害薬服用時の糖質量と血糖値の変化-実験

ゴールデンウィークでドライブをかねて軽井沢のアウトレットにドライブをかねて出かけたので、早速試してみました。

朝食

朝食前にジャディアンスを一錠飲みました。
さて、朝食ですが、清水の舞台から飛び降りたつもりで、

全部食べたわけではないのですが

まい泉のカツサンド3切れ エビカツサンド1切れ、スタバのラテトールサイズです。
糖質量は
まい泉のサンドが一切れ6gとして4切れで24g(ちょっと少ない気もしますがネット情報をそのまま信じました)
スタバのラテは16g(これもネット情報です。牛乳分ですからおおむね妥当でしょう。)
合計40gと想定されます。
私の空腹時血糖値が125として、ピーク時の血糖値の予測は
125+(40×3)= 245
さて、結果ですが
1時間後  218
なんと、血糖測定を始めてから最大の数値です。
1.5時間後 173
少し下がり始めているようです。ちょっとほっとします。
30分で40下がるというのは、薬なしではなかなかない数字です。
2時間後 108
これまたびっくりです。こんなに急にさがるとは、、、
108という数字も私の場合はなかなか見ない数字なので、薬の効果なのでしょう。

昼食

アウトレットのフードコートでから揚げ定食を食べました。いつもは口にしないご飯を茶碗の1/3程度食べて見ました。
糖質量は
唐揚げが衣が天ぷらのように大きかったので、15gと推定
ご飯は 18gと推定
合計 33g
私の空腹時血糖値が125として、ピーク時の血糖値の予測は
125+(33×3)= 224
結果は
1時間後  146
あまり上がっていません。
1.5時間後 158
あれっ、1時間値より上がってしまいました。
2時間後 189
え、2時間後に上がるなんて。それもこんなに。びっくりです。
2.5時間後 130
これも30分では急激な下がり方です。

2時間値がこれほど高くなるのは、
食後すぐに1Hrほど、店を見たり歩いたりしていたので、消化(血糖の上昇)が遅れた?
測定の誤差?
なども考えられますがよくわかりません。

夕食と翌朝

夕食は、焼き魚、サラダにそばを1/4、糖質量15g
1時間後  141
でした。糖質量は通常と同じですが、通常なら一時間後は160~170ですから
薬の効果ありと思われます。

翌朝の血糖値は102でした。
これもなかなか見ない数字です。

実験の評価

江部先生のブログによれば

メーカーは、SGLT2阻害薬の効果は、1日で消えるといいますが、
内服中止しても、結構尿糖が出続けることがあります。
個人差があるようですが、私の患者さんでは
中止後も数日以上尿糖が出続けた人もいます。

SGLT2阻害薬投与で健常人のデータでは、毎日50~60gのブドウ糖が尿から排泄されます。
2型糖尿人のデータでは、毎日71~93gのブドウ糖が尿から排泄されます。
とのことです。

一回だけの服用で何とも言えませんが、朝食、昼食ともに高血糖になってから急激に血糖値が下がりました。
食後高血糖を防ぐのではなく高血糖になったら血糖値を下げる薬、という印象を持ちました。

副作用というほどでもないのですが、口の中が少し乾いているような気がしました。
糖尿病の治療直前ってこんな感じだったような気がします。

ちなみにですが、
2週間分(14錠)を処方していもらいましたが、、薬局で薬剤師さんと話していたら
「この薬を頓服で処方された方は初めてです」とのことで珍しがられました。
(頓服(とんぷく):食後など決まった時間ではなく、発作時や症状のひどいときなどに薬を飲むこと)

またそのうち、テストしてみようとは思っています。

コメント

  1. モン吉 より:

    ホリデーさん、こんばんは

    SGLT2阻害薬でのテスト、とても参考になります。
    翌朝の空腹時血糖値を結構下げるのですね
    SU剤(アマリール、グルファスト、オイグルコン等)と違って、β細胞を
    痛めることもなく、低血糖にもなり難いのは良いですね
    ありがとうございます。

    薬は、どうしても炭水化物等を食べなければならない時は、必要ですよね
    旅行に行った時、宴会の時、また地震等災害で避難所生活の時の食事は
    炭水化物中心になりますので、緊急時に備えて持っておいた方が良いですね

    話は変わりますが、ハワイへ行かれるのですね!羨ましいです
    私もハワイは2回行きましたが、20年以上前になりますが家族でも行きました。
    その時、ホテルはロイヤルハワイアンにするか、モアナサーフライダーに
    するか迷いましたが、子供が白い方が良いというので、モアナサーフライダー(旧モアナホテルの方)にしました。
    ミーハーなのでバニアンのベランダで、アフタヌーンティーをいただきました。
    懐かしい思い出です。

    ハワイはリピーターの方が多いですね。周りの方は8回目とか12回目とか
    言われていました。向こうでは時間がゆっくり過ぎていくようで、のんびり
    できますね。ただ、私は飛行機が苦手なので、それがネックです。

    • ホリデー より:

      炭水化物を取ってしまう時に備えて、あまりこだわらずに薬も考えようとは思います。
      SGLT2阻害薬、血糖値を下げる効果はかなりありそうです。血糖値のピークを抑えてくれるともっと良いのですが。
      ただ、食べたものを出してしまうのであれば最初から取らなきゃいい、と思うので、いざという時だけですね。
      また試したら報告します。

      モアナサーフライダーですか。雰囲気ありますよね。昨年行ったときに一度だけ食事をしました。
      アフタヌーンティーって、究極の贅沢ですね。
      行きたくなってきました。

  2. neko より:

    ハワイの話題だけ参加します(笑)。
    ハワイ、いいですよね。私も4、5回行きました。
    東南アジアのように暑すぎず、時間がゆったり流れてます。
    ハワイの動物園が大好きでした。
    自然の中を散歩する途中で動物も見える、という感じでゆったりしているんです。
    (グアムぐらい近ければもっといいのに!)

    アメリカのドラマ「マグナム」みたいに海岸線を赤いフェラーリで飛ばしてみたいものです(古いシリーズです。ご存知ないかな。。。)

    • ホリデー より:

      「マグナム」は知りませんが、赤いフェラーリですか。オープンカーだったら気持ちよさそう、だしかっこいいですね。
      グアムもいいんですけどね。数年前に一度行きました。日本の高校生の修学旅行とお隣の国の団体旅行の御一行様が多く、うんざりした記憶があります。
      ハワイは人は多いですが団体客は比較的少ないのでそれもよいところです。