DPP4阻害薬-糖尿病治療への効果はどの程度あるのか

私が最初に処方された薬はDPP4阻害薬のネシーナでした。当初2週間ほどは飲んでいましたが、硬質制限で血糖値が下がったので、その後はほとんど飲んでいません。1週間程度の出張や旅行のときに気休めに2,3度飲みました。改めて情報を集めて効果を考えてみました。

DPP4阻害薬は血糖値を下げる効果は大きくはないが、食後の高血糖時のみ作用するので兵血糖を起こさないので、日本では2009年に発売開始された歴史の短い薬にもかかわらず、2型糖尿病で最も使われている薬です。

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私の場合の血糖値への影響

血糖値測定をして、DPP4阻害薬を飲んだ場合も飲まない場合も食後血糖値の変動にほとんど影響がありませんでした。(少しは効果があったかも、と思えるケースがなかったわけではありませんが。)

これは、そもそも摂取している糖質量が少ないから効果が観察されにくかった可能性はありそうです。また、HbA1cが改善する途中(変動している時期)であったためそのことが何らか影響していたのかもしれません。

どの程度血糖値を下げるのか、ネットで情報を見つけることができませんでした。(以前食後血糖値を20~30下げるという情報をどこかで見て、自分はそこまでの効果がないなあと思っていたのですが、その情報を見つけられませんでした)

仮に毎食血糖値を30下げる効果があるとしたら、毎食糖質を10g減らせばよいことになります。
血糖値を上げずに糖質を取りたいのならちょこちょこ分食をすることで糖質10g程度なら摂取可能です。

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DPP4薬の効果に関するエビデンスレベルの高い論文

メディゲートという医師向けの転職情報サイトにDPP4阻害薬の効果に関する研究が紹介されていました。
以下、記事で紹介されている研究の要約です。

2012年に、追跡期間24週間以上の18の研究が結合されたランダム化比較試験のメタ分析が発表されており、心血管系イベントは、DPP-4阻害薬群で0.9%、その他の薬やプラセボ薬で1.3%とDPP-4阻害薬群で52%少なかった。

2013年にはDPP-4阻害薬の心血管疾患に対する効果を検討した二つの大規模ランダム化比較試験の結果が発表された。
1つの研究では心血管死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的虚血性脳卒中の発生はDPP-4阻害薬群群で7.3%、プラセボ群で7.2%と同等、もう一つの研究では11.3%、プラセボ群で11.8%とこれも同等という結果でした。

この記事の著者である医師は、

プラセボと合併症予防効果が同等で、副作用の危険が高い薬に、1錠何百円という値段をつけて、公的な保険医療費で賄うというのは、保険制度を破綻させるための謀略という気さえします。

 もう一つ言えることとしては、「小規模ランダム化比較試験のメタ分析には要注意」ということがあります。小規模研究の結果が、一つの大規模な質の高い試験によって否定されるというのは、糖尿病に限らずしばしば経験することです。注意したいものです。

と書いています。

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DPP4阻害薬の副作用

薬の副作用は、頻度も症状の程度もなかなか患者には伝わってきません。
副作用の弊害の情報を何らかの理由で知ったり自分の実体験がある場合には薬の副作用を強く意識するようになります。
薬の効果を時間していて副作用を目にしていない人は薬の効能に信頼を置きます。

私は前者です。どういうわけか家族や仕事の経験や自分自身の体験として薬の副作用を津容器意識するようになっています。そんな人間が見る情報ですから偏りがあるのかもしれません。

日本赤十字センターの医師が書いています。(SRLという会社のHPです)
DPP-4阻害薬の副作用として、当初からその代謝・排泄経路から 腎障害、肝障害については注意が喚起されておりましたが、 DPP-4阻害薬には多くの膵外作用 (心血管系、骨代謝、免疫系など) があり、 長期投与による新たな副作用出現に注意をしなければならなくなりました。

民医連というサイトにはこんな記述がありました。
DPP-4阻害剤の薬理作用を詳細に検討すると、インクレチンの増加が膵β細胞を活性化し、次いで血管新生因子VEGFが活性化、そして、それに関連する有害作用が出現する、という懸念があります。ひとつは、癌の発症が増えることです。多くの癌はVEGFを利用して成長する性質を持っていますので、まだ小さい状態の癌が大きくなるスイッチのような役割を果たしてしまう可能性があるからです。
 もう一つは先にも触れましたが、RS3PE症候群という、リウマチ反応が陰性にもかかわらず、関節滑膜の毛細血管が増殖することにより、まさにリウマチ様の多発性両側性の関節炎が発症する副作用です。MMP-3というマーカーを指標に血液検査で確定することができます。
 さらにもう一つ、シタグリプチンの臨床試験の時に傾向が出ているのが、網膜症の増加です。

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健康にプラスのDPP4

DPP4はインスリンを分泌するインクレチンを素早く分解してしまうので糖尿病には困った存在で、その働きを阻害してしまおうというのがDPP4阻害薬です。

ところが、DPP4は、小麦グルテン・乳カゼインに強い消化酵素で、腸を守る働きがあるのでDPP4を配合したサプリメントもあります。
小麦グルテン不耐性(ジョコビッチさんがたしかそうですね)を持つ患者にDPP4を投与したところ、症状の改善が認められたことから、DPP4が小麦グルテンの消化に関与していると推測されたらしいです。

ということは、パスタやうどんやラーメンを食べてDPP4阻害薬を飲んでいたら、自分で腸を痛める状況を作りかねない、ということになるのかもしれません。

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私のDPP4阻害薬使用方針

糖尿病発覚当初3か月間は糖尿病専門医のクリニックに通院してDPP4阻害薬を処方されたので、まだ2か月分残っています。

2,3日使って血糖値への影響を確かめようか、とも思っていました。ほとんど効果がないと思ったのはHbA1cでいえば7程度のころですから、今は反応が異なるかもしれません。

しかし、免疫系への影響、がんの発症が増える可能性があるということになると、さらに腸にもよくないかも、となると、さすがに実験する気も起きなくなります。
*糖尿病はがん発生率が高いということは明らかなようですから、できればその可能性は低くしておきたいものです。
*私は胃腸があまり強くないので、胃腸の情報にも敏感です。

薬というのは、せいぜい2,3年の臨床試験で世に出てくるものでしょうから、長期的な安全性は全く不明です。
メトホルミンのように50年も使われている薬は異なるのでしょうけれども。

加えて、薬の効果をPRするような論文は出てきやすいですが、治療に使われている薬の害を指摘する論文はなかなかでてきません。

がんのなる可能性が高まる(かもしれない)薬をあえて飲む気はなくなりました。
(また気が変わるかもしれないので、今のところ薬は捨てずに保管します)

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