糖尿病食事療法について1年の糖質制限で思うこと

糖尿病が発覚し、糖質制限をはじめて1年、と思ってうちにもう15か月になってしまいましたが、、、

自分が1年間糖質制限を行い、またブログを始めてたくさんの情報に触れ、今考えていることを書いてみます。
ブログの方針でもあります。

私の考え方の変化

糖質制限を始めたころ、指針は江部先生のブログでした。そのほかにカルピンチョ先生のブログも参考になりました。(カルピンチョ先生のブログは昨年5月以降更新されていません。残念ながら)

この二つのブログは、
①糖質制限の裏づけを知り、実施に確信を得る
②糖質制限を行っている患者の経過情報により、自分への効果を予測する
③実施方法の注意事項を知る
この3点に役立ちました。

ブログを始めたころ(昨年1月ころ)は、HbA1cも下がり始め、糖尿病治療としての糖質制限に確信を得て、もっと多くの人にしってもらい実行してもらいたい、糖質制限が誰でもが合併症を防ぐことができる唯一の方法ではないか、と思うようになっていました。

ブログ村に登録し、他の患者のブログを見るようになり、糖質制限の対極の脂質制限・高炭水化物でも対処できている方がいることを知ります。糖質制限でなくて血糖コントロールできる、というのは目からうろこでした。

さらに、PBWF(プラントベースのホールフード)で糖尿病が完治する、という情報には大きく気持ちがぐらつきました。ちょうどそれを知ったころに、自分の状態が、血糖コントロールが改善しない、空腹時血糖値が下がらない、という状況だったせいでもあります。

現在の考え方

よりどころとなっている事実など

これらの情報や、論文や調査研究などの情報からあれこれ考えたことからを考察し、現在の考え方にいたります。これはすでに記事にもしていますが、事実ベースで間違いなさそうに思うのは、

・糖質制限で健常者と同様の血糖コントロールができている人がいる
・糖質制限で耐糖能が改善した人がいる
・脂質制限・高炭水化物が合わず、糖質制限で改善した人がいる
・糖質制限が合わずにうまくいかなかった人がいる
・脂質制限・高炭水化物で健常者と同様の血糖コントロールができている人がいる
・脂質制限・高炭水化物で耐糖能が改善した人がいる
*食事療法のみについて運動については、ここではあえて触れていません。

などです。なお、糖尿病が完治するという話については、長期間(10年、20年の)の経過観察は今のところどの方法でもないので、何とも評価できなそう、と思っています。
英語で糖質制限でもPBWFでもreverseという単語が出てきますが、これは完治、という意味ではないように思います(英語は強くないので不確かな、あくまで印象ですが。)

「糖尿病・最初の1年」

「糖尿病・最初の1年」を読んでいて、今の自分の考えとほとんど同じと思う表現があったので紹介します。
著者のベッカーさんは1996年に2型糖尿病を発症。職業は医学論文の編集。この本は2001年初版、2007年第2班の翻訳です。(糖尿病治療は日進月歩で、出版年は重要です。)10~15年前のアメリカの状況に基づいて書いている本です。)

ベッカーさんは、米国糖尿病学会の食事療法(日本糖尿病学会の方法と似た方法と思われる、現在は行われていない)の方法で15㎏の減量をしたものの血糖値が正常を超えており24時間空腹だったので、低炭水化物ダイエットに変え、、血糖値は正常に近く空腹感もほとんどなくなり、減量したままの状態が10年続いているとのことです。

その経験も踏まえて、以下のように書いています。
(文中「ダイエット」とあるのは訳文をそのまま引用しましたが、食事療法と読み替えてもよいと思います)

私は自分の経験が、ダイエットの方法に対する私の議論を歪曲していないことを希望します。つまり、私に効いたことがあなたにも有効とはかぎらないからです。各種ダイエットの長期効果を比較した研究はありません。したがってあなたの選択は、あるダイエットが長期的にあなたにどういう影響を与えるかの推測と、そのダイエットの短期効果に関するあなた自身の経験にもとづかねばなりません。

「糖尿病・最初の1年」との共通点、相違点

アンダーラインを引いた部分がつくづくそうだなあと思う点です。

他の人の効果的だった方法が私に良いとは思わない、私に効果がある方法が他の人にも効果的とは限らない、と思います。

また、食事療法の選択は、短期的にはやってみて効果を自分のこととして確かめることと、短期的効果が長期的にも継続するだろうと推測するしかないと思っています。

 

ベッカーさんは自分の取っている方法に関わらず中立で客観的に情報提供しようとしています。

私は、自分のこととして現在糖質制限を選択している=効果的で安全な方法であろうと信じている立場から記事を書いているので、自分が中立ではありえない、と自覚して記事を書いています。
今後もそうするつもりです。医療の非専門家の一患者のブログですから。

ただ、あくまで自分が信じていることですから、この方法をとらない人を説得しようとも思わないし、この方法以外を否定するような立場はとらない(それは間違っている可能性が高い)とも思っています。

糖質制限を行おうとしている人や、行って間もない人に何らか参考になることを願っています。

日本糖尿病学会が、糖質制限も選択肢の一つ、と認めることも切に願っています。自分が入院したときに高炭水化物食を強制されたら困りますから。

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