糖尿病で血糖コントロールが改善する人と改善しない人の違いは?

糖尿病で血糖コントロールが改善する人と改善しない人の違いは何でしょうか。食事、運動、薬など治療の内容の影響は当然です。うまくいっている人のまねをすれば自分も買い依然するのか?どうも違うような気がしています。

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江部先生のブログから考えた改善目標

糖尿病治療として糖質制限を始めたころ、どのくらいの効果があるものなのか知りたくてネット情報をあさっていました。特にじっくり見たのが江部先生のブログの、読者の方から頂いた改善例 のカテゴリーにある事例です。

そのほかにもネットにある患者のブログ等を見て考えたことは
スーパー糖質制限(20g/食以下)を継続すれば、HbA1c9・6が3か月で6未満になることが期待できそう
でした。毎月HbA1cが1.5程度下がる想定です。

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肥満型とやせ型

ところが、スーパー糖質制限+可能な限り食後の散歩(20~30分)を行ったのにも関わらず、HbA1cは一か月で1程度の改善でした。

まあ改善はされたので悪くはないですが、大きな改善をしている人と何が違うのだろうとまた江部先生のブログを中心にネット検索をしていて気づいたのは、3か月ほどで大きな改善をしている人は肥満型で体重も大きく減少している場合が多いようだということです。

定量的なデータではありません。血糖値の改善とともに大幅な体重減少が書かれていることが多いと感じた、という私の感覚です

糖尿病とは、インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝疾患群である。
(「糖尿病治療ガイド2016-2017」 日本糖尿病学会編著)
だそうです。
インスリン作用不足はおもに、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性増大の二つの要因によります。
肥満型の場合、インスリン抵抗性増大の影響が強い場合が多い
やせ型の場合、インスリン分泌低下の場合が多い
と考えてよさそうです。(これは上記の書籍に書いてあることではなく私の解釈です)

肥満型の人が大幅な改善がみられるのは、インスリン分泌はそれほど低下していないが肥満の改善によりインスリン抵抗性が減少し、インスリンの効きがよくなることで生じることではないか、と考えました。
私の場合は、もともと肥満体質ではなくどちらかというと食べても食べても太らない(約40年前の高校時代のベストが72kg,生涯最大が糖尿病発覚時の78kgでBMI24です)体質でもあり、多分インスリン分泌不足がインスリン作用不足の主な原因であろう、だから急激な大幅な改善はしないのではないか、と思います。

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膵臓の弱り具合

最近読んだ書籍にこんなことが書いてありました。

実は、空腹時血糖値は、膵臓の弱り具合を示すものなのだ。言ってみれば糖尿病の重症度がわかる。120以下なら軽度、121~160なら中程度、161以上で重度と判断してよいだろう。
(「日本人の9割が誤解している糖質制限」 牧田善二 2016)

これが正しいとすれば、私の場合に糖質制限を始めて5日でほぼ空腹時の血糖値132、1か月後126でその後の空腹時血糖値が改善しない理由も合点がいきます。私の場合は糖尿病としては中程度の膵臓の弱り具合なので、糖質制限をすれば血糖値は上がらないが、膵臓の弱さを示す空腹時血糖値は下がらないということになります。

そのように考えると、2~3か月程度でHbA1c6未満というような大幅な改善をしている人は、糖質制限の効果ともいえるのでしょうが、もともとインスリン分泌はそれほど低下していないから改善したのではないか、と考えられます。

もしかするとインスリン分泌はそれほど低下していない肥満型の人が食事や運動で肥満解消すれは、糖質制限を行わなくても良好な血糖コントロールができるのではないでしょうか。

「糖尿病は薬なしで治せる」(渡邊昌2004)は、HbA1c12.8から薬を使わずに対処した医師の書籍です。医師といっても糖尿病専門医でなく、がんと循環器疾患予防の研究者です。2004年初版ですが2017年には31版と売れ続けていて、薬なしで糖尿病に対処したい人が多いことを示しているようにも思います。

この著者が行ったのは、カロリー制限と運動と自己血糖測定です。三か月ごとのHbA1cが記載されています。
12.8⇒9.6⇒7.8⇒5.9
見事です。9か月で6未満になっています。

糖質制限より少し時間はかかっているかもしれませんが、このように対処できるならカロリー制限でも糖尿病治療に十分効果あり、といえそうです。

この著者の場合、開始1~2か月で空腹時血糖値は110まで下がったと書いてあります。
牧田先生の分類では、空腹時血糖値120以下ですから、膵臓の弱り具合は軽度、ということになります。

渡邊先生がカロリー制限と運動で良好な血糖コントロールができたのは、カロリー制限と運動の方法が適切で継続できたから、(だけ)ではなく、膵臓の弱り具合は軽度だったから、ではないでしょうか。

糖尿病で血糖コントロールが改善する人と改善しない人の違いは膵臓の弱り具合による

が結論(私の仮説)です。

膵臓の弱り具合は軽度なら、「糖質制限でうまくいきました」も「カロリー制限でうまくいきました」も「運動でうまくいきました」も「〇〇のサプリでうまくいきました」もあり得るのではないかと考えます。
なので、こうすればうまくいくという情報には振り回されないことも必要に思えます。

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私の対処方針

2型糖尿病の場合、自分の膵臓の弱り具合を見るためにも自己血糖測定をやったほうがよいと思います。

空腹時血糖値が膵臓の弱り具合を示す、死滅した膵臓のβ細胞は生き返らない、ということであると空腹時血糖値の改善は難しい、ということになります。
まあ、そうなのでしょう。

しかし膵臓も少しは回復するかもしれず、運動で筋肉が増えれば少しは血糖処理を増やしてくれるかもしれず、少しは改善するかもしれません。
仮に改善しなくても今より悪くなることは避けたいことです。
もしかしたら、何らか新たな方法が見つかるかもしれません。

今は自分のできることをやっていくしかありません。
自分ができることでこれまで実施したこと以外に何か工夫がないか、これは追求し続けます。

コメント

  1. モン吉 より:

    ホリデーさん、こんばんは

    今日は久しぶりに家内と琵琶湖方面へ、ドライブに行きました。
    天気も良くて楽しめました。
    私は運転は好きなので、以前はよくドライブに出かけました
    3年前には東京に娘が住んでいるので、家内と行きましたが
    家内はペーパードライバーなので、運転は私一人です。
    高速道路が1,000円で一日乗り放題の時は良かったですが
    またぜひ復活して欲しいです。

    ホリデーさんが血糖値測定をされているのは、ブログを見られて
    これから糖質制限を始めようとされている方には、とても参考になりますし
    暁現象を改善出来たら、これもとても参考になりますので
    ぜひ続けて頂きたいと思います。

    HbA1cの改善ついては、ホリデーさんが仰られているように
    肥満の方は体重が減る事で、インスリン抵抗性が改善され
    A1cの改善が大きいのは確かにあると思います。
    でも、ホリデーさんの数値も4か月で9.6から6.1ですから
    素晴らしい改善だとおもいます。

    私も6か月で10.7から5.9になった時、当時のドクターは
    「こんな人は初めてだ!インスリンや薬を使ってもこんなに良くなる人はいない」と大変驚かれましたので、従来のカロリー制限食ではありえない事なのでしょう。
    私は従来のカロリー制限食をしていたら、もうすでに合併症になっていたと
    思います。合併症は眼の網膜に最初に現れるようですので
    1年に1回は眼底検査を受けています。
    ホリデーさんが眼底検査をすぐに受けられたのはとても良い事です。
    又、腎機能の異常は尿中アルブミン(クレアチニン補正値)が一番早く
    異常を発見できますので、検査の時はいつも受けています。(3か月に1回)
    30以下が正常ですが、牧田医師は15以下を推奨されています。
    牧田先生の膵臓の弱り具合の情報ありがとうございます。
    私も牧田医師のブログは時々見ています。

    • ホリデー より:

      モン吉さん
      またまた、励ましと貴重な情報ありがとうございます。
      記事に使わせてもらおうと思います。

      東京まで一人で運転されたのですか?一人だと結構疲れそうですね。
      高速道路1000円はありがたかったですね。
      私は車の運転が割と好きで、仕事もなるべく電車でなく車を使います。それも運動不足の原因にはなってしまいましたが。

      この春に、埼玉⇒神戸⇒(フェリー)⇒新門司⇒山口⇒山陰⇒城崎⇒姫路⇒奈良⇒埼玉 という1週間のドライブ旅行を敢行しました。
      妻と二人で運転も交代なのでそれほど疲れません。
      これまで時間があれば仕事とその関連の知識吸収に時間をかけていたのですが、糖尿病が生き方の見直しにもつながりました。
      半年か一年毎に旅行の予定を立てて、そこまでは仕事と健康管理を頑張る、というふうに変えたいなあと思っているところです。

  2. モン吉 より:

    ホリデーさん、こんばんは

    >この春に、埼玉⇒神戸⇒(フェリー)⇒新門司⇒山口⇒山陰⇒城崎⇒姫路⇒奈良⇒埼玉 という1週間のドライブ旅行を敢行しました。
    妻と二人で運転も交代なのでそれほど疲れません。
    これまで時間があれば仕事とその関連の知識吸収に時間をかけていたのですが、糖尿病が生き方の見直しにもつながりました。
    半年か一年毎に旅行の予定を立てて、そこまでは仕事と健康管理を頑張る、というふうに変えたいなあと思っているところです

    凄いロングドライブですね!
    奥様も運転されるのなら、安心ですね
    私は運転一人ですが、糖質制限食をするようになってから
    あまり疲れなくなりました。
    これは糖質制限食をされている方に、共通するようですね

    またホリデーさんは仕事柄、人生設計もきちんとされていらっしゃる
    楽しみを先において、そこまで頑張る。その繰り返し。
    私も参考にさせて頂きます。
    やはり人生、楽しく生きなければ損ですよね。
    私達は人生を楽しむ為に、生まれてきたのですから

    • ホリデー より:

      糖質制限をすると日中の眠気はかなり減るような気がします。車で助手席にいてもそんなに眠くならなくなりました。

      人生設計とか全然できてないです。
      糖尿病になって糖質制限を始めて、何のため?と考えるようになり、積極的に楽しみを作ろうと思うようになりました。
      いつまで元気でいられるかわからないと気づいたからかもしれません。
      かりに健康でいても10年後、15年後はロングドライブは大変かもしれませんし。

      秋には妻と海外旅行に行こうと計画しています。
      なので、糖質制限VS旅行(外食)は、大切で重要な課題です。

      私も楽しく生きたいと思います。楽しくても苦しくても時間は過ぎますから。
      糖尿病対策に時間をかけすぎないようにしたいのですが、
      この理不尽な世界を知っってしまった以上自分が納得できるように関わろうじゃないか、と思っています。

  3. neko より:

    >秋には妻と海外旅行に行こうと計画しています。

    おおっ!素敵ですね。
    差し支えなければ、どちらまで行かれるのですか?
    私も旅行が大好きなのですが、結婚前にたくさん旅行しておかなかったのが人生の心残りです。
    アフリカとか南米などをバックパックでまわるとか、いい年していまだに憧れますね。

    >積極的に楽しみを作ろうと思うようになりました。

    わかります。
    幸せも不幸せも自分次第ですよね。
    私事ですが、大学卒業時に辞めていた囲碁を最近また始めました。今はコンピュータが強いので自宅で楽しめるのが魅力です。底なしに面白いゲームなので趣味にオススメですよ。

    • ホリデー より:

      今年はハワイに行く予定です。多分来年も、健康とお金が続く限り毎年ハワイに行こうと妻と話しています。
      妻がハワイが好きなので。といっても新婚旅行以来30年ぶりに昨年行っただけなのですが。
      ハワイは、よく言えば国内派の私にはちょうど良い海外です。日本語だけでもなんとかなりますし、のんびりしているだけでも気持ちよいところなので。
      ただ、おいしい甘いものが多いことが悩ましいところです。

      囲碁ですか。そういう趣味を楽しめるのはうらやましいです。
      父がやっていたのを小さいころ見ながら何が楽しいのだろう、と不思議に思っていました。
      自分一人でできる趣味を持ちたいのですが、ずっと無趣味で暮らしてきたのでさてどうしたものやら、です。
      どのように楽しく生きるか、糖尿病対処より大切な課題ですね。