私の糖尿病対処方針(10か月目)1-考え方

日本糖尿病学会の推奨する効果のエビデンスがないバランスの取れたカロリー制限か、長期の安全性のエビデンスがない糖質制限か、、耐糖能をよくする脂質制限か、耐糖能が悪くなると指摘されている糖質制限か、いろいろな情報があふれています。

悩みが消えたわけではありませんが、当面の方針は固まりました。
(朝令暮改ならぬ朝令昼改がモットーですのでいつ変わるかわかりませんが)

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2型糖尿病治療の原則―と思うこと

①ほとんどの場合2型糖尿病は治らないし、年々悪くなることが多い。

②コントロールすれば合併症が起こる可能性がほとんどないレベルをキープすることはできる。

③稀に耐糖能が回復し、糖質をとっても非糖尿病の人と同じ程度しか血糖値が上がらない人もいる。

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耐糖能の回復(完治)

ほぼ完治している事例

・糖尿病学会の推奨するカロリー制限と運動(例:「糖尿病は薬なしで治せる」の渡邊昌医師)
・高強度運動と低脂質カロリー制限(例:「糖尿病も3ヶ月で完治するダイエット」の王城恋太氏)
・糖質制限(カーボカウント)(例:「カーボカウントな日々」のカスティーラ氏)
などです。渡邊昌医師のばあい、膵臓の機能が回復したというより食後の運動で血糖値をコントロールしている状態かもしれません。

完治するには

この3人の方の事例だけでも、アプローチは様々ある、ということかな、と思います。

ほかにもネット上で糖尿病が治ったという情報は散見されます。また、詳細なデータがすべて公表されているわけではないですが、治ったケースは、治療開始2,3か月で空腹時血糖値は110未満、数か月でHbA1cも6%未満、のケースが多いように感じます。

治った人たちは、HbA1cが9から10であっても、膵臓がそれほど弱っているわけではなかったのではないか、というのが私の仮説です。ですから、この方たちはその人たちが選択したのと異なる方法でも治ったのではないか、そんな気がします。

たとえば「カーボカウントな日々」のカスティーラ氏は、治療3か月程度で、40gの糖質で血糖値200を越えなかいと書いています。ということはたぶん糖質1ℊあたり血糖値は歳代でも2程度の上昇で、膵臓はもともとかなり機能していたのではないかと思います。

ですから完治したのではなく、その人たちはもともとβ細胞はあまり壊れていなかっただけのことではないかと考えます。

私が完治する可能性は?

私の場合は、糖質制限(10~15ℊ/食程度)を始めて2か月ほどで空腹時血糖値120半ばになりましたが、その後数か月変化なしです(日々のばらつきはありますが)ですから、治った人たちとは膵臓の弱り具合が違うのではないか=治るという可能性はとても少ない、と思われます。残念ながら。

私の素人仮説は、治る人は膵臓が弱っていないのだからどんな治療法でも治る、短期間(半年)で治らない人はこれまでの通説通り治らない、です。

治った人の方法を真似ても治るとは限らない、むしろ治らないことのほうが多く、かえって糖尿病を悪くするかもしれない、と思います。
例えば「糖尿病は薬なしで治せる」の渡邊昌医師はHBA1c12.8から薬なしで5%台まで改善しそれをずっと維持されているようです。やっていることはカロリー制限と運動ですから糖尿病学会の治療法です。同じようにカロリー制限と運動を一生懸命行いながら糖尿病が進行し合併症を発症している人がいる(かなり多い)ことも事実です。

数か月では改善しなかったが、数年の単位で耐糖能が改善したケースがあります。このブログにもコメントをくださるモン吉さんです。モン吉さんの場合は数年の糖質制限で、耐糖能が健常な人並みには回復されています。それも徐々にではなく、数年後のある時点で回復したということです。もしかするとこれは私も期待できるかもしれません。モン吉さんの場合、たまに(週1回程度は)200を超えるような糖質を取っているとのことですから、それが決め手なのかもしれません。

ただ、期待はしたいものの、モン吉さんのようなケースがたくさんあるわけでもなさそうなので、糖質制限で必ず治る、ということではなさそうです。

結論として、
稀に治る人がいるがその方法が確立しているわけではないので、私がそれを考えてもわかるわけがない。治る方法論も重要だが、治るか治らないかは方法論と膵臓の状態(壊れ方の程度)で、かつ膵臓の状態の影響のほうが大きいのではないか。となると、自分が行ったほうがよいのは合併症予防、自分の自覚できる体調管理と血糖コントロールの継続で、それで将来的に耐糖能が向上したらラッキーとしよう。と考えることにしました。

こうすれば治す、という情報は魅力的です。真似をすれば治るのかもしれません。しかしまねしたら悪くなることもあることを忘れないようにしないといけないです。

いろいろなネット情報に惑わされすぎたかなとも思っています。ネット情報に振り回されてストレスに感じることのほうが血糖コントロールにも悪いですし。

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合併症予防

方針

合併症予防の目標として、私は江部先生のブログを参考に
食後1時間値 180未満(160未満が望ましいが)
食後2時間値 140未満
としています。
江部先生のブログでは
空腹時血糖値110未満も掲げられていますが、薬を使わないとコントロールのしようがないので特にこだわっていません。(受診時に主治医には薬の必要性を相談はしていますします。)

方針の根拠

血糖コントロールによって合併症が防げると考える根拠は、
①糖尿病の合併症は主に血管の障害によるものである(これはたぶん事実と考えます)
②血糖値が180以上、140以上、血糖値の変動による血管が損傷することがわかっている(これも研究結果があるようです)
①②から、血糖コントロールすることで合併症が防げると思われる。
これはかなり確からしい気がします。しかしあくまで真実ではなく類推した仮説であると思います。

全国腎臓病協議会のホームページに糖尿病腎症の原因について以下の説明がありました。

糖尿病で血糖値の高い状態が長期間続くことで、全身の動脈硬化が進行し始め、毛細血管の塊である腎臓の糸球体でも細かな血管が壊れ、網の目が破れたり詰まったりして老廃物をろ過することができなくなるとされていますが、根本的な原因ははっきりしません

これが科学的態度というか確からしい記述に私は思えます。

真の原因はわからないが、食後高血糖が合併症の原因である可能性がかなり高そうなので、血糖値コントロールをする、というのが私の考えです。

更に、血糖コントロールの基準が妥当であるかどうかは何とも微妙です。江部先生の基準は日本糖尿病学会より厳しく、バーンスタイン医師の基準よりは確か緩やかなはずです。
熊本スタディで6年間合併症が発生しない閾値は、
・空腹時血糖値110
・食後2時間値180
・HbA1c6.5
です。これは薬を使ってのコントロールの患者が多いはずなので私と比較して良いのかわかりませんが空腹時血糖値以外は熊本スタディより厳しいコントロールなのでまあ良いかな、と考えます。

では具体的に何をどうするのか、食事、運動、自己血糖測定、薬、についてはまた書きます。
その前に糖尿病治療に関する情報との付き合い方についても書くつもりです。

コメント

  1. くるくる より:

    こんにちわ

    膵臓がもう弱ってしまったのか、あるいは抵抗性が高いだけなのか、自分ではわからないから
    悩ましいですよね。私も悩みました。
    それで、初めて内科受診した際、早朝空腹時血中インスリン濃度の測定をお願いしました。
    今年一月、マリゼブ内服開始2週間後です。血中インスリン値が3.3uU/ml。
    正常値が2.2-12.4ってことなので、主治医いわく「インスリンはそれなりに出てる」。
    そしてインスリン抵抗性の指標のHOMA-IR(インスリン値とその時の血糖値から計算します)
    が1.3で、これは1.6以下が正常ってことで「インスリン抵抗はない」って判断されました。
    じゃあ、なんで血糖値が上がるんだろうって話ですが、私が思うに「食後の追加分泌が
    やや足りない、あるいは食後にインスリン抵抗が上がる」かしら・・
    ホリデーさんも、一度インスリン濃度を測ってもらうのもいいかもしれません。

    でも、王城さんのブログに紹介されてる数々の文献によれば、ベータ細胞のアポトーシス
    を食い止め、増殖させることは可能らしいので….

    https://ojyokoita.blog.fc2.com/blog-entry-731.html

    私もまだ自分の膵臓をあきらめないで、体脂肪を減らす努力を続けてみようと
    思います。

    合併症は、血糖値やA1cが正常化した後でも起こることがあるようなので(高血糖の
    記憶とかレガシーエフェクトと呼ばれるもの)、定期的に検査して、早期発見
    早期治療を心掛ければなんとかなるんじゃないかしら。
    腎症のチェックは、血中のクレアチニン値よりも尿中の微量アルブミン検査が
    大事だと、糖尿病専門医の牧田善二先生の本に書いてありました。

    • ホリデー より:

      くるくるさん
      インスリン濃度とか確かに調べたほうがよいかもしれませんね。アドバイスありがとうございます。

      それからご紹介いただいたブログですが、引用された論文等と論旨が強引で結論ありきであると感じることが多く、見てはいますがこのブログで記事の内容を取り上げるつもりは今のところありません。今後はこのブログの記事の紹介はコメントいただいても削除しますのでご了解ください。

      合併症は検査は重要だと思います。ただ合併症を生じないように食後高血糖を防ぐことも重要と思っています。(食後高血糖が合併症の真の原因か、は確定していませんがかなり確からしいのではないかと思います)

  2. モン吉 より:

    ホリデーさん、こんばんは

    治療方針が決まったとの事で、良かったですね。
    ホリデーさんの分析に、私も同感する部分がほとんどです。

    一人ひとり、膵臓のβ細胞の状態は違うと思いますので、ホリデーさんのように
    色々な方法を試して、その中から考えられたので、きっと上手くいくと思います。
    もし、あまり効果がなかったり、新しい方法が出れば、ホリデーさんが云われているように
    いつでも変えられますので。これは私も同じです。

    ペットボトル症候群のように、短期間で急激に悪くなった場合は、
    β細胞はまだ死滅せず、疲弊状態ですので糖質制限をすればすぐに元に戻るようですが
    長年糖尿病を放置している場合は、β細胞はかなり死滅しているようですので
    元に戻るのは難しいようです。
    気がつけばすぐに、適切な治療する事が、大切ですね。

    もう一つは以前書込みしました、AGEsの問題です。。
    180を超える高血糖になればAGEsが発生します。
    一度発生したAGEsの寿命は約10年で、10年間血管壁に張り付いて、血管壁を壊し
    続けます。一番最初に異常が出るのは、眼の網膜と云われています。
    眼の検査は1年に一度くらいは受けた方が、良いですね。
    もし、尿にタンパクが出ているなら、すでに網膜にも異常が出ているでしょう。
    また、AGEsについては、食べ物の焦げた部分や油で揚げてキツネ色になった部分に
    多く含まれると云われています。
    食べ物由来のAGEsについては、「害がある」「ない」で意見が分かれていますが
    まあ、控えた方が良いのではないかと思っています。
    稀に境界型なのに合併症になる方があるようですが、もしかするとこれが関係しているのかもしれませんね。

    • ホリデー より:

      決まった、と言っても、大きな変更はないですが。体に状態に変化もないですし(良くも悪くも、ですが)。仮に新たな方法をとる場合は、食後高血糖にどう対処するかが具体的に示されないとリスクが大きいです。低脂質については久しぶりにネットサーフィンしたり、できない英語と知らない専門用語に苦労しつつ考えたりしました。まあ結論は、専門家でも意見が分かれているのだから、素人の私が考えても答えは出ない、少なくともあたかも真実のように断定しているものはまず疑ってかかったほうがよさそう、と改めて感じています。