糖質制限5か月間の結果―効果はどのくらい出ているのか

以前の記事の続きです。
この記事をPCでご覧の方はデータを表示してある 糖尿病発覚5か月間の検査データ-糖質制限の効果は? も開いてみていただくとわかりやすいと思います。
糖尿病発覚5か月のデータを見て改めて考えています。

糖尿病と診断されてこれから治療する方、これから糖質制限で糖尿病に対処する方、には一つの目安として比較材料にしていただけるのではないかと思っています。

HbA1cと空腹時血糖値

以前の記事 糖尿病で血糖コントロールが改善する人と改善しない人の違いは?でも紹介しましたが、牧田善二先生によれば
空腹時血糖値は膵臓の弱り具合を示す。
120以下なら軽度
121~160なら中程度
161以上で重度
です。

私の空腹時血糖値は、125前後でほぼ固定です。これは糖質制限を始めて5日目の136(食後1.5時間ですがほとんど糖質を取っていないので)からほぼ固定と思われます。牧田先生の分類では2型糖尿病患者として中程度の膵臓の弱り具合です。
多分、HbA1cは6.0で下げ止まりだと思います。(長期的にはもう少しよくなることを期待したいですが)

糖質制限で血糖コントロールを行えば、早くて数日、遅くても1~2か月で空腹時血糖値は安定すると思います。その数値を見れば、自分のHbA1cがどの程度まで改善できるかが予測できるのではないでしょうか。そういう意味で一つの目安にしていただければと思います。

膵臓の弱り具合が軽度の場合はHbA1cの改善はもっと早いと思います。

膵臓の弱り具合が軽度であれば、カロリー制限でも運動をしっかり行えば薬なしで対処できることもありそうです。DPP4阻害薬やSGLT2薬を併用すれば、膵臓のダメージが少なく私と同じ程度の改善は可能かもしれません。

ちなみに、平均血糖値とHbA1cの関係式は 推定平均血糖値(mg/dl)=28.7×HbA1c(%)-46.7 です。

これに当てはめると私の平均血糖値は 28.7×6.0-46.7=126 です。

空腹時血糖値とほぼ同じ値です。食後の上昇分が含まれないことになります。なんだかおかしいような気もします。これは謎のままです。

中性脂肪、コレステロール(HDL,LDL)

中性脂肪は見事に下がっています。糖質を取らなければあっという間に下がる、ということのようです。まあもっと下がってもよいようにも思いますが。

コレステロール値は高くなっています。特にLDL(いわゆる悪玉コレステロール)値が高いのはあまり心地よくはないです。糖質制限食ではよくあることのようですし心配しているわけではありませんが。

体重、血圧

体重は、これまで少し目メタボが気になって家にいるときは昼食抜きにしたりしていたのですが、全く減る気配がなかったのです。それがカロリー不足にならないように注意して食べても食べても少しずつやせてきました。私の場合は開始3か月で72Kg(BMI22)を下回ったあたりで下げ止まっています。今現在は安定していますが、ちょっと食べすぎたりすると増えるので、食事量によっては増えることもあるかもしれません。
あるブログで、やせ型の2型糖尿病の方が標準体重を下回ってさらにやせると耐糖能がよくなると書いていたので、試してみようかとも思ったりもします。ただ、これ以上やせてガリガリの外見も避けたい、とも思い実行にはいたっていません。

血圧はもともと高いほうではなく、多分糖尿病発覚時の135-86が生涯最高だと思います。糖尿病は血圧も上げるのでしょうか。そこは知識がないのですが正常な範囲に戻ってきているので問題はないかと思っています。一安心です。

腎臓、肝臓関連

5か月で大きな変動はありません。発覚時のデータが特に悪くはなくそれほど良いものでもない、今のところはあまり心配しなくてもよいということでしょう。

白血球、血小板

標準より低くなってきつつあります。これは気になります。
牧田善二先生があるサイトで
糖質を制限すればやせることは医学的にも実証されています。短期間で面白いようにやせる人もいますが、貧血や甲状腺機能の低下、白血球の減少による免疫力の低下などを招くことも。40才を過ぎたら、急激に体重を減らすのは危険。月に1kg以内の減量が理想です
と言っています。私は当初急激にやりすぎたのかもしれません。

主治医は白血球、血小板の値は、「血が止まりづらいとか不都合がなければ気にしなくてよいから様子を見ましょう」といっているのでそれほど心配しているわけではありませんが。

まとめ

個人差はあると思いますが、
血糖値、中性脂肪、体重、(たぶん血圧も)について、多くの人に糖質制限は有効だと思われます。
私のデータがたまたまなのではなく、多くの事例があるようですし、なぜ効果があるのかメカニズムとしても説明がされています。

糖尿病治療をこれからやろうという方はもちろん、既に糖尿病治療を行っている方にもお勧めしたいと改めて思いました。

これまで1か月に一度検査をしていましたが、主治医には「次の検査は2か月後でよいでしょう」とのコメントをもらったので、次は6月下旬に受診予定です。医師に頼り切ることは良くないでしょうが、信頼できる医師を探して受診することも必要であると感じています。日本糖尿病学会糖尿病専門医を受診しているときと安心感、ストレスの少なさが全く違います。

私の場合とは異なるのであくまで想像ですが、既に薬を飲んでいる方やインスリン注射をしている方の場合は、糖質制限を認めて治療ししてくれる医師を探すことが大切かもしれません。低血糖は怖いようですから。

コメント

  1. にょろぞう18 より:

    ご自身の検査結果から冷静に分析されていますね。自分は先月の検査でH bA1c5.8でした。日々の血糖値測定の結果から、自分もこれ以上の改善は難しいと思います。また、後でわかってきたことですが、発病したのはさらに前だったようで最近合併症である神経障害のような症状が出てきています。近く精密検査を受ける予定です。ホリデーさんにも合併症には気をつけていただきたいと思います。

    • ホリデー より:

      それはご心配ですね。まずは検査ですね。神経障害の有無は血液検査で分かるものではないので、私も気にはなっているのですがどうしたらよいのかわからない状態です。

      発病した時期がわかったのですか?それはそれで治療の参考にもなってよいこととらえてよいのではないでしょうか。

      いずれにしても、これからどう健康に生きるか、が私たちの課題ですから、頑張りすぎずに頑張りましょう。

  2. neko より:

    こんにちは。すみません、今のトピックに関係のない事です。
    以前の記事に関連する内容で「糖質制限を(出来れば楽しく)続けるコツ」について少し考えたのですが。。。
    今更ですが、糖質制限って、食事じゃないですか。ですからストレスなく続ける究極は、美味しい「糖質制限食」を楽しむことではないでしょうか?

    私事ですが、我が家は、糖質制限を始めてから食事がぐんと美味しくなったのですよ。脂身たっぷりのバラ肉の料理、バターやチーズ、卵をたっぷり使ったコクのある料理。。。(昔だったら糖尿病になるぞ!と言われそうな)贅沢な食材をたっぷり使えるから美味しいのも当たり前かもしれません。

    ここにいらっしゃる方は皆男性なのでどうかと思いますが、ご自分の健康を支える食事を楽しむにはやはり自分がイニシアティブを取るのが一番だと思います。我が家は夫も半分ぐらい料理するので、二人で工夫しながら糖質制限食をより美味しくしています。実際、食事がこんなに美味しくなかったら糖質制限を続けられたかわかりません。(人生、美味しいものを楽しまなきゃ!とか言っていたかもしれません)

    皆さんのご家族も糖質制限ですか?私の姉の家族は菓子パンやお菓子をバクバク食べているので、そういう環境だとなかなか大変だろうなあ、と思います。毎日の食ですから工夫が必要ですよね。私も半年でだいぶ慣れてきました。

    話は変わりますが、BMIって不思議なのですが、22で痩せ気味ですか?私は18ですが普通体型です。22に相当する体重だったらかなり太めです。まあ筋肉がないのでそのせいかもしれませんし(本当は同じ体重でも筋肉があってほっそりしているのが理想ですね)、男女で違うのかもしれませんね。

    • ホリデー より:

      美味しい「糖質制限食」を楽しむこと、その通りだと思います。
      でも、それで終わらせると記事のネタが減ってしまいます。(^_^;)

      男性で、家での食事のほとんどを妻に頼っていて、糖尿病で治療としてやむを得ず始めた糖質制限、という立場からの記事をそのうち書いてみたいと思っています。

      BMI,人それぞれなんですね。私の場合はBMI22(72kg)が40年前の高校時代のベスト体重なので、まあそれでよいかな、と思っています。こてこての体育会系(ムキムキではありませんが)だったので、体脂肪と課は今と全然違いますからもう少しやせてもいいかなとは思うのですが、外見上これ以上やせるとみすぼらしい老人になってしまいそうなので、今のところBMI22をキープしようとしています。

  3. neko より:

    >でも、それで終わらせると記事のネタが減ってしまいます。(^_^;)

    もちろん数値をきちんと把握して、科学的な理解や分析をするのがベースなのですが、どうも糖質制限って「あれを食べてはダメ、これも食べてはダメ」的なネガティブな態度になってしまう人が多いので、その辺の気持ちの持ちようを考え直すことも大切かな、という投げかけでした。

    >やむを得ず始めた糖質制限

    そこなんですよねー、今日も姉と電話で話しましたが「食パンを半分に切ってちょっとジャムをつけただけ。それでもダメなの!?」と強く言われ、もう勝手にしろと言いたくなりました(笑)。

    どうしたら楽しく取り組めるのか、私のテーマですね(私は楽しくやってますが、他の人々にもそれを上手く伝えたいです)。体にいいことだけど嫌々じゃ人生詰まらないですから。

    BMIはあまり気にしないことにしますが、筋力アップは私の長年の希望(努力していない)ので、今後頑張って行こうと思います。

  4. にょろぞう18 より:

    こんばんは。nekoさんのコメントに関してです。糖質制限食を楽しむ、というのは同感です。自分は、ご飯や麺類は大好きだったので、それが制限されることに当初はつらいかと思いましたが、その分、以前はダイエットのためと節制していた大好物の唐揚げや、油の多い刺身などを気兼ねなく食べられるようになりました。週に2,3回唐揚げを2~300g食べているにもかかわらず、血液検査で脂質の項目は全く問題なしで、体重も増えるどころか減る一方です。個人差はあると思いますが、自分の場合糖質制限を初めて、逆に食事の楽しみの幅は広がった感があります。ただし食費はかさみますが・・・。あと、かなり前からすでに発症していたのでは、というコメントですが発症ご5年くらいたつと神経障害が発症するということなので、そういう判断をしたわけです。今日も手足がしびれています。