糖質制限を実行し続けるコツ1-自己効力感

どうして糖尿病患者にこんなに効果的な糖質制限を糖尿病患者の多くが実行しないのでしょうか。もちろん、糖質制限について知らない、その効果について否定的に考えている場合に実行しないのはわかります。

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糖質制限を行う人と行わない人

糖質制限の効果に関する情報をもって知っているのに、糖質制限を実施する人もいれば実施しない、その違いは何なのでしょうか。

糖質制限は糖尿病治療によさそうだ、と思いながら実施する人と実施しない人の違いは何か、
ダイエットしようと思っていて、糖質制限は良さそうと思うのにやる人とやらない人の違いは何か、このような違いの説明につかえそうな理論があります。

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自己効力感の理論

アメリカの心理学者のバンデューラが唱えた「自己効力感(self-efficacy)」の理論があります。

人が行う行動には、二つの先行要因(行動を起こす原因)が考えられます。結果予期(行動すればよい結果が生じるという考え)と効力予期(私はその行動をすることができる)の二つです。

バンデューラは効力予期(私はその行動をすることができる)に注目して、「自己効力感(self-efficacy)」の理論を作りました。

単純に言うと
「この行動は私によい結果をもたらす」だけでは人は行動せず
「私はできる」と思えると人は行動する、というのが自己効力感の理論です。

糖質制限についていえば、「私は糖質制限食を始めて実行することができる」と思えば実行する、「糖質制限は効果ありそうだけど続けるのは大変だな」と思うと実行しないということになります。

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自己効力感を高める4つの要因

自己効力感を高める4つの要因があります。

1.達成経験(自分ができた経験で最も影響が大きい)
2.代理経験(自分以外の他者ができていることを観る・知る)
3.言語的説得(励ましなど-君ならできる、とかー)
4.生理的情緒高揚:(気持ちよかった、とか、不快にならずにできた、とか)

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自己効力感理論の糖質制限への応用

自己効力感を高める4つの要因を糖質制限に活かすと

自分が実行する場合

「やればできる」と思える情報を集めること
やってみてできたことを積み重ね、かつできたと自覚すること
が重要ということになります。

私の場合、江部先生のブログを見て、ほかの人ができているなら自分もできるだろう、という単純な考えでした。「代理経験」です。
糖質制限のレシピとか献立集が書籍になっていますが、それを見たときにはこんなこと自分にはできるのかな、とてもこれでは続かないかも、とむしろ心配になったことも覚えています。

料理をよく行う人、得意な人は、詳しいレシピや献立集をみれば、これならできる、と自己効力感が高まるはずです(自分が行ったことのある料理に近ければ「達成経験」を思い出すでしょうし、ほかの人がやっているなら自分もできるだろうと思えば「代理経験」になります)

他人に糖質制限を勧める場合

「こうやればできる」という情報を、それもその人が「できる」と思う情報を提供することが、有効である、と考えられます。

*言語的説得(励ましとか「君ならできる」)は、自己効力感を高めるのですが効果は小さいです。他者の行動変容を促そうとする場合、あまり効果的でない場合が多いです。(多くの人がやっていますが)

*いかに糖質制限が有効か、健康に良いか、などの説得だけだと、(自己効力感を高めないので)あなたの言うことはわかったけど、、だけにとどまり、行動変容が起きないことが予想されます。

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最後に

にょろぞう18さんとnekoさんからコメントがあったので、とりあえずこの記事を作りました。

実際に自分が糖質制限をやっていて続けるためにどんなやり方が良いと思っているか、どうして続けられそうだと思っているのか、理論では無く体験から感じていること(それこそ代理経験として説得力が少しはありそうなこと)はまだいくつかあるので、また書いてみたいと思います。

尚、この記事は出張先のホテルの部屋で書いているので、手元にバンデューラの書籍がありません。自己効力感の理論についてちょっとアバウトになっています。多分この週末から来週、こっそり修正します。

コメント

  1. モン吉 より:

    ホリデーさん、こんばんは

    糖質制限がなかなか広まらないのは、私も疑問に感じています。
    理由は色々あるのでしょうが、大きいのはやはり日本糖尿病学会が認めていない事が大きいと思います。

    学会の医師の治療を受けている患者が「糖質制限食」について質問すると
    「あんな極端な食事は危険だ、やるなら責任は持てない」と治療を断られるような事も多いようですね。。
    患者は治療を断られると困るので、諦める事が多いのではないでしょうか
    三島4兄弟さんの話ではありませんが、有名大学の専門医に「そんな事したら死にますよ」云われたら危険だと思うのは、まあ仕方がないと思います。

    私の場合は、すぐに江部先生の本とブログを知り、血糖値を上げるのはカロリーではなく、炭水化物に多く含まれる糖質だという事が、すぐ理解できました
    糖尿病検査の一つに経口ブドウ糖負荷検査がありますが、当然糖質での検査です。カロリーが血糖値を上げるなら、油を飲んで検査するでしょう。

    例えば、肉500キロカロリー分とご飯500キロカロリー分を食べ比べて血糖値をはかってみれば、同じ500キロカロリーですが、肉はほとんど血糖値が上がらず、ご飯は高血糖値になる事がすぐにわかるでしょう。
    炭水化物を食べなければ血糖値は上がらないのだから、血糖値を下げる薬を飲む必要がない。とても単純な事です。正しい事と思いました。

    しかし、いまだにカロリーが血糖値を上げると思っている専門医や栄養指導員がいるのですから驚きです。ここを何とかしないといけませんねえ。
    カロリー計算なんか無意味ですから。

    • ホリデー より:

      もん吉さん

      はとんど同感します。
      ほとんど、というのは、私は、もはや糖尿病学会専門医はさすがに、糖質だけが血糖値を上げることを知っていると邪推している点です。さすがに専門家だから知らないわけないだろう、と思っています。

      「あんな極端な食事は危険だ、やるなら責任は持てない」いいそうですね。医師の指導通りに薬を飲んで副作用が出ても、合併症になっても何の責任も取ってくれないんですが。
      そもそも薬って、強制的に体の反応を変えるもので健康な人には必要ないわけですから、薬を飲むということじたい、極端なことだと私は思っています。でも、病気というのは体が極端な状態ですから、薬を飲むのも薬を得ないとは思いますが。