糖尿病の栄養指導は役に立ちますか

妻がお世話になっている美容師さんから聞いた話です。

最近お母さん(70才台)が糖尿病になったという話を聞いたのが数か月前のことです。その美容師さんが食事などサポートをしたいけどどんなものが食べられるんですかねえ、という話になったので、妻は、私が糖尿病で食事を工夫している話をして、おからむしパンを紹介したりもしたそうです。

妻がその話を美容師さんとした頃に、家庭の事情で母さんは夫婦でお父さんの郷里に引っ越しが決まり最近引っ越しをされたそうです。引っ越してから母さんはどんな食事をしたらよいのかわからなくなり、心理的に少し参っているようです。お母さんがそういう状態のため、一緒に住んでいるお父さんまでやせ始めたそうです。

どうも、引っ越しして新しい病院を受診し、指導される内容が異なり、これもだめ、あれもだめと言われて、何を食べたらよいかわからない、そんな状態のようです。

妻が「そういえば、栄養指導を受けたとき、これもダメあれもダメって言われたように感じた」といっていました。(私は糖尿病学会のクリニックでの栄養指導と、糖質制限の栄養指導を2回受けていて、どちらも妻に同席してもらいました。)

妻がこれもダメ、あれもダメ、という印象を受けたのは糖尿病学会の栄養指導です。(糖質制限もこれはダメ、はありましたが、すでに知っていることばかりだったので、難しいという印象はありませんでした)
私はその時、すでに糖質制限を始めていたこともあり、他人事的に聞いていたのですが、この指導を受けて実行できるのだろうか?と疑問に思いました。

これもダメあれもダメ、もそうですが、計算の仕方とかややこしそうでかつ面倒な感じがしました。実行していないのでそれ以上のことは言えませんが。

栄養指導って、正しいことを正しく伝えることが目的ではなくて、患者が実行することが目的で、患者が実行できない・しない栄養指導ってどうかな、と疑問に思います。

患者本位に考えれば、栄養指導後、患者が実行しているのかどうか、を調査研究し、どのように行えば患者が実行できるのか、継続できるのか、を工夫すべきなのではないでしょうか。そのような視点がないような気がして残念です。

ちなみにこれは、糖質制限の栄養指導にも同じように感じました。患者がやる気になる、安心できるような指導とは感じませんでした。

失明とか。人工透析などの重い合併症は、日本糖尿病学会の治療方針(薬、カロリー制限、運動)にも問題があるのかもしれませんが、患者本位でない医師の対応や、実行困難な栄養指導のやり方にも問題が大きいのではないか、と根拠はないながら仮説を持っています。

その仮説が正しければ、仮に糖尿病の治療方針が糖質制限に代わっても、医師に怒られたり、栄養指導でうんざりしたりして治療をせずに手遅れになるようなケースがそれほど減らないかも、そんな気もしたりしています。

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