糖質制限の効果のー長期間のデータ(しらねのぞるばさん)

しらねのぞるばさんの起床時の血糖値の推移をの長期間のデータを記事にします。
しばらく前にコメントをいただいていたのですが、ばたばたしていて記事にするのが遅れました。

糖尿病治療の食事療法の長期的効果は研究でもあまり示されていないと思います。ですので個人データであっても長期間にわたるデータは貴重だと思います。

しらねのぞるばさん、どうもありがとうございました。

例によってにとホリデーの感想などは黒で表記しています。

 

自分の過去の血糖値測定結果から,起床直後のデータだけを抜き出して,整理してみました.ご参考まで.

年,平均値,標準偏差,n数,最大値,最小値の順です.

(表に加工しました)

平均標準偏差最大最小
2010127.26.78138116
2011109.012.6413885
2012100.710.7611680
201398.59.5811573
201497.95.3510887
201598.25.7711386
201694.75.0510482
201795.36.5110783
201892.75.4010183

2011年の半ば頃までは,糖尿病専門医の言うことを信じて高糖質食と運動(ひたすら歩く)だけでしたが,悪化の一途でした(もっとも当時は食後の血糖値を主に測定していましたが).
糖質摂取量は,最初から現在まで 100~120g/日くらいを心がけていますが,日によりかなりばらつきます. 北里大学 山田先生の緩い糖質制限食にかなり近いです. 出張が多いとこの線を守るのが限界ですから,最初からあまり無理はしていません.

100~120g/日での対処できるという事は私とは異なります。ですから私が糖質制限を続けたらどうなるのか、のモデルとはできない部分もありそうです。

2012年には糖質制限食の効果がFullに現れて,食後血糖値は上がらなくなりました.また,昼食直前,夕食直前の空腹時血糖値も100前後になりました. 反面,起床時の血糖値のばらつきだけがまだ大きく,時に高い値も出ていました.

ばらつきが多いといっても最大が116ですから、その数字はすでにこの時点で糖尿病型ではない、ともいえそうな気がします。

2013年から,本格的に口腔ケアに取り組みました.海外赴任などで何年もまともな歯医者にかかれない期間があり,歯周病に悩まされていたからです. (1)歯周病や扁桃腺炎など慢性的な炎症があると,人体にはそれだけでストレスですから,血糖値が慢性的に高くなる.→ (2)血糖値が上がると,更に炎症が悪化し →(1)に戻る というわけで,歯周病と糖尿病は「悪の二重奏」です. この連鎖を断ち切ろうとしました.歯医者に通い詰めて歯周病と歯石を完全に治療し,以降 食後の歯磨きは,歯ブラシだけでなく,ジェットウォッシャー,デンタルフロス,歯間ブラシ,舌苔Scraperなどあらゆるツールを使って,食後10分後には,口腔内の有機物は唾液だけ,という状態を保ちました. 半年ほどで 腫れたり出血したりしていた歯茎は静かに収まりました.

歯周病もチェックが必要ですね。
それにしてもやることが徹底していますね。

2014年,糖質制限が3年目になると,起床時血糖値の平均値だけでなく,標準偏差まで小さくなってきました(もっとも,当時はそれに気づいていませんでした. 今回起床時だけ抜き出して計算してみて,そうだったのかと見直しました).

標準偏差はデータのばらつきを示します。
平均値±標準偏差の範囲に全データ数のおおよそ2/3がはいることを意味します。

ばらつきが減ったという事は、それだけ体が血糖値をコントロールできるようになった、とうことを意味しそうです(これは医学の専門家に評価してもらわないと数値だけではどう評価してよいのかわかりませんが。)

そうであれば、糖質制限の効果は数年かけて現れてくる、ということを示している可能性がありそうです。
(以前教えていただいたモン吉さんも数年かけて耐糖能が改善されたという事でした)

私の場合、はじめて半年でHbA1cが9.6から6.0になった以降、いわば膠着状態ですが、気長にやっていけば改善するのかもしれません。

2014~2015年には,暁効果を起床3時間前のメトホルミン服用で抑え込めないか,実験してみました.詳細は江部先生のブログに投稿しました;

http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3236.html

実験には延べ4ヶ月くらいかかりましたが,たしかに効果はありました.しかし,これは自分の暁効果の原因を確認できたというだけで,継続するのはさすがに無理でした.

拝見しました。
糖新生による暁現象をおさえるために、夜中に目が覚めた時にメトホルミンを服用するという方法ですね。
確かに長く続けるのは難しそうですが、糖新生とメトホルミンの効果がわかりやすい実験でした。
参考にします。メトホルミンのトライアル的服用、考えています。

2015年は,朝の血糖値を抑え込む方法をいろいろ試しましたが,上記以上の効果のあったものはありませんでした. ただこの時期は血糖値全体が落ち着いてきたこともあり,知的ゲームをやる感覚で,今度はこれでも試してみるかという軽いノリでした.

さらに,110を越える値がまったくでなくなったのは,2016年からです.SDが5.0前後というのは,血糖値測定器の測定誤差を考えれば,もはやこれ以上小さくなりようのない値と言えます.

現在では血糖値プロファイルは落ち着いているので,測定頻度も下がっています. また 10点測定ですが,1日に10点すべてを測るのではなくて;

【A】 (1)起床時 (2)朝食後1hr (3)朝食後2hr
【B】 (4)昼食前 (5)昼食後1hr (6)昼食後2hr
【C】 (7)昼食前 (8)昼食後1hr (8)昼食後2hr (10)就寝直前

月に1~2回 【A】【B】【C】のどれかを測る日がある,という Staggered法にしています.

「Staggered法」というのはしらないのですが、パターンがわかってきたら、毎日10回の測定は不要ですね。
私も早く減らしたいと思いつつ、安定しないので測れるときには10回¥測定に近くm¥なっています。
糖質摂取量が少ないときや、一時間値が140以下の時はそのあと測らないというような省略はしています。

標準偏差まで出してみたのは今回が初めてですが,学会の皆様,これが糖質制限食の威力です.
インスリンでも薬でも,これほど安定した結果を出せるものはないでしょう.そもそもIGT(耐糖能障害)だけの人には保険では投薬できませんしね. ただし 私にはこの方法が効きましたが,他の方がこの通りになるかはわかりません.単なる一実例です.

なお,私はできるだけ歩き,階段をよく使うようにはしていますが,それ以外に筋トレと呼べるようなものはしていません. ただ スポーツ医から「大腿筋が若いですね」と言われたことはあります.もちろんお世辞です.

このような実例が多く出てくると、また患者がモデルにするには有効であると思います。
医学的なエビデンスにはならないのでしょうが、だから無視するのではなく、学会の方にも検討材料にしてほしいですね。

ほかにもご自身のデータ、事例をお持ちの方、記事にして紹介したいと思いますのでコメントお待ちしています。

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