「糖尿病治療」の深い闇の著者桐山秀樹の糖尿病治療としての糖質制限の効果を自分のデータやブログにコメントしてくださるモン吉さんのデータと比較しました。糖質制限の治療効果をある程度想定できます。
桐山秀樹氏のデータ
「糖尿病治療」の深い闇 に書かれている、桐山氏ご本人の血糖値改善の状況をまとめてみました。
血糖値 | HbA1c | |
糖尿病発覚時 | 215 | 9.1 |
10日後 | 124 | |
1か月後 | 122 | 7.4 |
3か月後 | 110 | |
6か月 | 5.7 |
3人の6か月データ
桐山氏と、ブログにコメントをくださるモン吉さん、ホリデーの3人の半年間のデータを比較してみました。
3人ともに、おおむね薬なしです。
*桐山氏は当初、糖質制限と薬を併用し、低血糖も何度か起こしています。
*ホリデーは、最初の2週間ほど、DPP4阻害薬ネシーナを服用しました。以降薬はほぼなしです。
*モン吉さんは当初から薬なしです。
桐山氏 | モン吉さん | ホリデー | |
発覚時 | HbA1c 9.1 血糖値 216 | HbA1c 10.7 血糖値 399 | HbA1c 9.6 血糖値 308 |
6か月後 | HbA1c 5.7 血糖値 110? | HbA1c 5.8 血糖値 | HbA1c 6.0 血糖値 125 |
その後 | 1年半後HbA1c 5.0 体重25キロ減 6年後心不全で死去(61才) | 糖質制限食12年目 HbA1c 5.6~5.9 体重10キロ減(BMI22) 血糖値110前後 他の検査数値は全て正常 | ??これからです *半年で体重5キロ減(BMI21.5)
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糖質制限の糖尿病治療効果
2型糖尿病発覚からスーパー糖質制限を行えば、半年あればHbA1cは、糖尿病型(6.5%以上)から、境界型糖尿病(5.6-6.4%)程度までには改善すると考えられます。
たった3人のデータから断定することはできませんが、江部先生のブログの患者の改善例を見ても、だいたいこんな感じかと思います。
糖質制限を行うと、数日で空腹時血糖値は改善します。
何度か紹介した牧田善二先生による空腹時血糖値の基準、
空腹時血糖値は膵臓の弱り具合を示す。
120以下なら軽度
121~160なら中程度
161以上で重度
を参考にすると、中程度の軽いほうまで(空腹時血糖値130くらいまで)の膵臓の弱り具合であれば、この程度の改善は可能と考えられるのではないでしょうか。
モン吉さんが糖尿病専門医から「こんな人は初めてだ!」と驚かれた、ということですから、カロリー制限だけではなかなかこのような改善はなさそうです。
モン吉さんのように、長期間糖質制限を継続して健康を保っている方の存在はとても心強いです。江部先生はモン吉さんよりさらに長く16年です。
ネットで2型糖尿病患者のブログをあれこれ見たのですが、カロリー制限+薬(インスリンを含む)であれば、半年でHbA1c6.0未満を達成しているケースも結構あるようです。
合併症予防のための初期治療の選択肢としての糖質制限
糖質制限の長期的安全性の医学的な意味でのエビデンスはありません。糖質制限が危険だということではなく数十年にわたる大量のデータがないと医学のエビデンスとは言えないらしいです。
数か月~2,3年程度であれば、ある程度のエビデンスは既にあると思うので、治療法として何とか認めてほしいものです。
カロリー制限(糖質60%)+薬
緩めの糖質制限+薬
スーパー糖質制限+薬
カロリー制限のみ
緩めの糖質制限のみ
スーパー糖質制限のみ
など、患者の状態や志向に合わせて、選択ができるようになってほしいものです。
ちなみに私自身は、スーパー糖質制限を行っているわけではありません。
食後血糖値が180を超えないように糖質量を調整したら、結果としてスーパー糖質制限に該当しているということです。
膵臓の力がもう少し強くて、緩めの糖質制限でもよい体だったらもっと食事も楽なのに、と思うことも多いです。
コメント
ホリデーさん、こんばんは
記事に取り上げて頂いて、ありがとうございます。
糖質制限食は早12年目に入りましたが、体調は良好でカゼもひいた事ありません。まあ〇〇はカゼをひかないともいいいますが
よく云われる長期安全性ですが、江部先生と私でみると、12年~16年位は大丈夫という事ですね。
江部先生のブログでも、糖質制限食を続けて合併症になったという書込みはありませんね。逆に合併症がなくなったという書込みは結構ありました。
これは従来のカロリー制限食では,ありえない事です。
従来のカロリー制限食では、合併症が出たらもうどんな名医でも止められません。
モン吉さん
毎度ながら勝手に記事に使って申し訳ありません。
長期の安全性は、長く続ける人が増えることと、それが発信されることが世の中に認められる一番の方法ではないかと思います。
患者としては自分が長く健康でいることが最も重要です。合併症がなくなった・よくなったという話があることも心強いです。