参考になった本:「糖尿病治療」の深い闇(桐山秀樹)

著者の桐山氏はご自身が糖尿病でその著書やおやじダイエット倶楽部の活動で糖質制限を世に広めた方です。心不全で急死されたため、糖質制限批判の材料にされた方でもあります。

亡くなる直前には糖質制限をしていなかったという情報もあって興味を持ちました。糖質制限を普及していた立場の人がなぜ糖質制限をしなくなったのか、について著書には書いていないとも思いましたが、糖質制限についてどのような考えだったのか知りたいと思いました。

糖尿病患者にとってのこの本の一番の魅力は、糖尿病患者が書いたものであることに加えて医師でない(専門家でない)人が書いたものであることだと感じています。

例えば、初診時の医師の対応など、自分の場合と比較しながら、ここまではひどくないな、とかそれは不快になるなあ、とか、自分と比較しながら等身大で読むことができます。

(医師の書いた本とは異なる気楽さがあります)

 

プロローグの中に

「患者としてのレポートであり、研究書ではない。本書をもとに糖質制限食の治療をされる場合はあくまで自己責任で行ってもらいたい」

とあります。

このブログもほぼ同様です。付け加えるならこのブログを読んで糖質制限をやってみようと思ったら、ほかのブログや書籍なども読んで考えてください、です。

 

「できれば糖質制限に理解ある医師に相談し、その指導のもとに食事療法を行ってもらいたい」

これも自分の体験からも賛成です。やってみてうまくいかないときとか、検査数値の解釈などやはり医師の指導はあったほうがやりやすいです。

さて、本の内容ですが、糖尿病患者としてのご自身の体験や、糖質制限の立場から糖尿病治療や糖質制限について書いてあります。医師の書いたものより平易なので読みやすいです。

「深い闇」についてどんなことが書いてるのだろうと期待しましたが、そこは期待外れでした。ごく当たり前のことが書いてあります。ノンフィクションですが、取材したデータの迫力は感じられませんでした。糖尿病治療の問題点は、医師と製薬会社と患者のもたれあいだ、との指摘がなされていますが、まあそうもいえるかも、、、程度であり何か新しい事実が提示されているわけではありません。

糖尿病、糖質制限に関する記述はわかりやすいのですが、少し古いなという感もあります。今だったらこのことを取り上げるのではないか、と思うことがあります。それだけ糖尿病治療、糖質制限は変化しつつあるのでしょう。

トータルとしては、糖尿病患者特に糖質制限を行っている患者には、興味深く面白くわかりや救読める本です。糖質制限に関する知識のおさらいにもなります。

 

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