このブログではどんなことを記事にすると役立つのでしょうかに励ましや温かいコメントをいくつもいただきました。
コメントをいただくことで記事を書く力もいただきますし、また新たな情報を知り学ぶきっかけになるので記事の内容もより良いものにすることができます。本当にありがとうございます。
客観的に、とか、冷静に分析、というありがたい誉め言葉をいただきました。
これはかなりうれしいです。相当に意識して気をつけていることだからです。
ブログを始めた当初気をつけたこと
怒りに飲み込まれず冷静になる
ブログを始めた今年の初め(糖尿病発覚2か月くらい)は、どうして日本糖尿病学会は糖質制限を認めないのか、なぜ患者を脅すようなことを言うのか、これしか認めないというな栄養指導をするのか、など、疑問ではなく怒りの感情が強くあったことを自覚しています。
怒りは物事の観察を曇らせます。なので、冷静になろう冷静になろうと言い聞かせています。
最近は、日本糖尿病学会に対する怒りはかなり減ってきました。
怒りのメカニズムと血糖値への影響
ちなみに、心理学では、期待がかなわない欲求不満により怒りが生じるという解釈することができます。
「どうして宿題しないの!」という親の怒りは「自分の子はしっかり宿題をやる子だ、やって欲しい」という期待があってそれが裏切られたから腹が立つ、という説明です。「自分の子は宿題をやることができない子だ」と認識を変えれば怒りは生じません。それが良いことかどうかは別ですが。
怒りの感情は体にストレス反応を生じさせます。獣が敵に襲われたときに、戦ったり逃げたりするための闘争逃走反応という自律神経の交感神経を優位にして体に筋肉を動かすための体の反応が生じるのですが、これはストレスに対する反応と同じで血糖値も上げます。
怒りはそれと同じ反応を生じさせます。だから怒りを持たないようにすることも血糖値対策になります。
感情に左右されないようにするために、他人事のように客観的に観よう、論理的に考えよう、そのように意識して考えたことを記事にすることで、自分以外の人はそのことを考える手間がなくなるのではないか、そんなことを考えています。
糖質制限に距離を置いて考える
私は糖質制限を続けています。10か月になりました。
ですから
・糖質制限が糖尿病に効果的である、という情報を見ると安心します。
・糖質制限が糖尿病以外にも健康に良い、という情報には期待感があります。
・糖質制限に否定的な情報んは不安になります
これらは、いずれも客観的思考を阻害します。なので、糖質制限が自分にどのような影響をもたらしているか、の事実以外は、冷静に突き放して情報を観よう、と意識し続けています。これはむしろ最近意識するようになったことかもしれません。
論理的に考える私の工夫
因果関係の筋道を追う-これは難しい
筋道だっているか、を考えるのですがこれは案外難しいです。この典型が3段論法で、前提が正しければ結論は正しくなります。たとえば
人は必ず死ぬ。(前提が正しい)
ソクラテスは人だ。(事実)
ソクラテスは必ず死ぬ。(推論も正しい)
この例ならわかりやすいですが
前提:コレステロール値が高いと動脈硬化の危険大
事実:卵はコレステロールが多い
結論:卵をたくさん食べると動脈硬化の危険性大
これが論理的でないことはほとんどの人が気がつかなかったわけです。
ここに、「コレステロールの多いものを食べるとコレステロール値が上がる」が正しい前提、当たり前と思われてたけれどもそうではなかった。ただ、これを見抜くというのは難しいです。
そこで、私は簡単に論理的に考えるために次のことを意識しています。
これですべてが考えられるわけではありませんが、結構使えます。
すべてを疑う
例えば、
「私は糖質制限でやせましたが倒れてしまい脳梗塞寸前でした。そもそも極端な食事は健康によくないんです」
という話があったとします。これが医師の話だと説得力があります。
この話の場合
・この糖質制限とはどんな食事・食生活か
・倒れたことの原因はどうして糖質制限といえるのか。ほかの原因でないといえるのはなぜか
・極端な食事とは何を指すのか
・その極端な食事が健康に良くないという証拠は何か
など、疑いだすときりがありません。
すべてを調べることができませんが、調べるきっかけになったり、その説のあいまいさが見えることが多いです。
このパターン、ブログより、マスコミ経由の医師からの情報(よく登場する医師)に多いようです。書籍にも根拠ない主張を真実のように言っている例は結構あります。
すべてを疑う思考の弱点は、ほとんどの場合疑いっぱなしで結論が出ないことです。論文などを引用されて興味がある場合は原文を読むようにしていますが、時間もかかるし原文にたどり着けない場合も多いし、すべてを納得するまで調べることはできません。
ただ、何度か原文まで当たって調べると、ある程度見極められるというか、調べる価値なし、ということもわかってくるようになりました。
だから記事のネタが少なくなる、ということにもつながるのですが。
「is not」 を捜す
疑うことの一つですが結構役立ちます。
糖質制限の長期継続は危険、と断定するような話がありますが、江部先生のように十数年元気で健康な人はどうなるの?と例外を探す方法です。
糖尿病学会のカロリー制限では悪くなるだけ、という説も同様で、悪くなっていない例を説明していなければ、危うい説だ、と考えるようにしています。
このように考えると、随分断定的な説が多いことに気づきます。
ちなみに「is not を捜す」は、糖尿病だけでなく、問題解決の思考法としても結構使えます。
論理的思考の事例
糖質制限肯定派にはお叱りを受けるかもしれませんが、私の思考法の一つの例を紹介します。江部先生のブログからの引用(一部抜粋)です。
今日は、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)を摂取して、
現実に毎年起きている合併症の悲劇について、言及したいと思います。
日本糖尿病学会『第56回日本糖尿病学会年次学術集会』熊本宣言2013の記載
糖尿病網膜症による失明者は年間 3,000人以上(新規失明者の約18%)、
糖尿病腎症による新規透析導入者は年間 16,000人以上(新規透析導入の約44%)、
糖尿病足病変による下肢切断者が年間 3,000人以上(全切断患者の40~45%)であると報告されており、
糖尿病合併症で苦し む患者さんの数は今なお減少していません。
日本糖尿病学会も自ら認めているように、糖尿病合併症はまったく減少していません。
このことは、現行の日本の糖尿病治療「カロリー制限・高糖質食+薬物療法」が決して上手くいっていない動かぬ証拠と言えます。
この記事のほとんどは事実が載っています。
ただ、これ、「従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)を摂取して、
現実に毎年起きている合併症の悲劇」といってよいのかは、論理的にはやや飛躍があると思います。
これらの合併症患者がどのような治療を行っていたのか、は事実がありません。もしかしたらその大半は、手遅れになるまで放置して治療していなかったのかのしれません。もしそうなら、治療法を糖質制限に変えても数字はそれほど変わらないかもしれません。
すべてを疑う、そういう思考で、これらの重い合併症患者がどのような治療法を継続していたのかの事実がないことに気づくことが重要だと思っています。
私は、糖質制限で今のところ血糖コントロールがまあまあできている、という事実があります。だからといって将来合併症の確率は低いと言い切れる証拠は必ずしも多くないのも事実と思っています。
仮に。ほとんどの糖尿病患者が糖質制限で糖尿病治療を行ったら、重い合併症患者が減ることを無理なく推論するには、何割の人に有効か、何割の人がその治療法から離脱せずに続けられているのか、などの大量観察のデータと原稿の治療法との比較が必要だ、ととらえています。医学の言うエビデンスでなくても一般常識や統計学で評価できれば十分だと思っています。
当然のことながら私を納得させるためのデータなど出てこないこともわかっていますが、患者のためにも、糖質制限治療の効果についての統計的データ、出してほしいものだと思います。
コメント