自己血糖測定の方法-採血(穿刺)、ランセット、回数、誤差など

血糖測定器の記事に複数の方からコメントをいただきました。
これから測定を始める方にもこのブログが役にたっているようでうれしい限りです。

私が測定をする中での迷いや体得したノウハウなどを記事にしてみます。以前の記事と重複する部分も多くなりますが、再整理してみました。(ただし、あくまで私の場合、ですから正しい方法というわけではありませんので念のため)

スポンサーリンク

採血する場所(穿刺)

手の指の腹の部分で採血すると思い込んで最初は採血していました。この方法の問題は痛いことです。

指の腹以外に
One Touch ULTRA2のユーザーガイドではside of your finger(指の腹の横)で採血すると説明されています。

ランセットで血を取る場所-指

指の腹ではなく横の部分を使うということですね。

バーンスタイン医師の糖尿病の解決」には以下の説明があります。

一般的な指導とは逆に、指を刺す最良の場所は手の背側になる。図3-1にあるように爪と第1関節の間、あるいは第1関節と第2関節の間(指の付け根を超えない)を刺す。これらの位置の穿刺は、痛みが少なく手掌側で指を刺すよりも血液の流出はよい。手掌側で、指を反復穿刺した後に起きるタコはできないであろう。
指の背側を刺すことが嫌ならば、図3-2に示した掌側を使用する。個人的には、私は図3-1,2に示した場所を全部使う。

私は基本的にはバーンスタイン医師の方法で行っています。
バーンスタイン医師は「両手のすべての指を使う」と言っていますが、私の場合、親指はあまり使いません。皮膚の厚さが違うのかどうも血がうまく出ないのです。穿刺の深さを変えればよいのでしょうが、なんとなく使っていません。
もう一つ、指の背側の第1関節と第2関節の間は使っていません。これもやってみたけれどうまくいかないので。やり方を工夫すれなよいのだとは思いますが。
というわけで、その他の部分(第1関節と爪の間、指の横)を使い、両手の親指以外の指を一日1本使うようにしています。

手のひらと腕

手のひらと腕について、One Touch ULTRA2のユーザーガイドOne Touch ULTRA2のユーザーガイドは、食事や運動の前か2時間以上後に使うように記載してあります。食後の血糖値の変動の測定には使えないということですね。

針を刺す場所-掌と腕

手のひらは痛みはほとんどないです。江部先生もブログを拝見すると、ご自身てのひらでの採血をされているようです。
手のひらが指と異なるのは、痛みがほとんどないこと、一報で、血の流出は良くないことです。また、食後の血糖値の変動の測定には使えません(血糖値の変化が遅いようです)

私は、空腹時血糖値を測るときに、穿刺を少し深くして(穿刺器の目盛りを0.5から1.5に変えて)採血しています。

スポンサーリンク

採血(穿刺)のその他のハウツー

ランセットの使用回数

ネット情報では同じランセット(針)を何回か使ってもよいという意見もあれば、衛生上一回ごとに変えるべきだという意見もあります。

私はバーンスタイン医師の見解すなわち、「別人と共用するのでなければ、毎回捨てる必要はない、切れなくなったら捨てればよい、月に一回交換するのが目安である」に従うことにしました。月一回よりは少し頻度が多い(2から3週間に1度)交換しています。交換直後は、血の出が少し良いような気がします。

ちょっとずつ針が切れなくなっているのでしょうね。

採血(穿刺)前の消毒

病院などで採血するとき、注射する前にアルコール消毒綿で消毒します。当初はそれをまねして、消毒綿を購入して毎回採血(穿刺)前に指を拭いていました。

バーンスタイン医師の「手は洗うが、アルコールで指をふかない。指をふくと乾燥してタコになる。私の患者の誰もアルコールを使わないことで指の感染を起こしていない」を読んでからアルコール消毒綿は使うのをやめました。軽く手洗いするだけで採血(穿刺)しています。

スポンサーリンク

測定回数

測定の目的

測定回数(頻度)やタイミングは測定目的により変わると思います。
私の目的は
主な目的:血糖コントロールのため、特に食後の血糖値上昇をコントロールするため
→その結果と摂取する糖質量の調整や食後の運動により、血糖コントロールに役立てる
副次的目的:日々の状態のチェック、暁現象など自分の状態を把握する
です。

日々の測定回数とタイミング

そのために現状実施しているのは

タイミング最も多かった頃現在
起床時 〇
朝食前 〇△1
食後1時間 〇 〇
食後2時間 〇〇2
昼食前 〇
食後1時間 〇
食後2時間 〇〇2
夕食前 〇
食後1時間 〇
食後2時間 〇〇2
就寝前 〇

△1
休日で、起床から朝食までの時間が長い場合(1時間以上あるとき)は、血糖値上昇を確認するために気が向けば測定することがあります。(私の場合は125程度まで上昇することが多いので)

食事直前の血糖値を測定したほうが糖質量との関係を見るには良いのですが、そもそも血糖値測定器が5から10程度の誤差があり得るとするとそこまで厳密にしなくても、起床時血糖値≒食前血糖値と想定することにしています。

ちなみに、たまに測定しますが、平均すると私は起床時血糖値より昼食、夕食前血糖値のほうが少し低いです。暁現象≒糖新生が影響しているのではないかと思っています。

〇2
食後2時間値は測定しなかったり測定したりバラバラです。食事の糖質量と結果としての1時間値が想定通りの結果であれば、多分2時間値も想定通りだろう、として測定していません。

反対に想定より高かったり低かったりしたときは測ることもあります。数か月の測定で自分の傾向がそこそこわかってきているのでこんな感じでよいだろうと思っています。

毎日測定するのか

上に書いた日々の測定を始めたころに糖質制限の栄養指導を受けました。出張中や顧客先などで測手出来ないことがある、といったところ栄養士さんからは、

最初のうちは仕事中であっても毎日測定したようがよい

とわりときつめに言われたので、

そのほうがよいのでしょうが、無理なものは無理です。

とはっきり伝えました。栄養士さん、ちょっとひるんでいた感じでした。

でも、できないものはできません。血糖値管理のために生きているわけでもないので、できる範囲で、です。

幸い私の場合は、家で仕事をすることが多いので(週3日は外で仕事、残りの4日は自宅事務所で仕事です)、家にいるときに集中して測定しています。

例えば、週5日会社で仕事、という場合、起床時と夕食後だけでもよいと思いますし、昼食後、会社のトイレで測定できるときは測定する、でもよいのではないでしょうか。

お勧めするとしたら、最初のうちは「測定できるだけ測定する」のほうがよいように思います。2,3か月行うと自分のパターンがわかると思います。

また、同じ糖質量でも食事の内容により上昇の仕方が変わることや、GI値などほとんど無意味とか自分のパターンが把握できると思います。

私は自分の変化を知りたい、気になる、ブログの記事のネタにする、などなどの理由で必要以上に測定しているとは思います。

食後のピークを知るための測定

私は、食後高血糖、特に血糖スパイクや食事による血糖値の変動幅を抑えようとしたいので、そのためには食後のピークはいつかを知ることが必要となります。

測定を始めたころ(糖尿病発覚1か月位)は、食後1時間値より食後2時間値が高く、食後2時間値がピークと思い込んでいました。その後食後1時間値の方が食後2時間値より高くなるようになってきました。

そこで食後45分から15分単位で測定をしてみたり、しばらくの間は食後1.5時間値を測定したりしていました。結果として現在は食後60~70分位がピークと思っています。

「東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科准教授の西村理明氏の研究によれば、
1)耐糖能正常者24名の食後血糖値のピークは、40分から50分
2)HbA1c8%未満の患者はおおむね1時間から90分の間にピーク
3)HbA1cが8%を超える患者では2時間後にピーク」
(江部先生の2018/3/1 2017/6/16のブログより引用)

だそうです。私の測定結果からの感覚もほぼ同じです。参考になるのではないでしょうか。ただ、食後時間というのは食事を食べ始めた時刻から計算するので、食事内容によりピークは変わります。

私は食事の最後に少し果物を取ることがあります。仮に果物以外の糖質が5g、食事開始後30分で果物で糖質10gをとれば、ピークは遅れるはずです。そのあたりも測定を多くすると時間値してわかってきます。

そこで私は、1時間値といいながら60分だったり70分だったりしつつ、できればそれを160以下にしたい(ピークがずれてもピークは180以下だろう)を目標にしています。

運動の効果(食後血糖値抑制の短期効果)を確かめるための測定

これは結構難しいです。というのは厳密には測定できないからです。運動しなかったらこうなったはず、という仮定の数字と実際の測定結果を比較するためです。

とはいえ、量の比較(たとえば30分の運動と20分の運動)、質の比較(散歩と筋トレ)など自分の場合はどうか、と測定することは血糖コントロールには有効と思います。

必死にやる、というより小学生が理科の実験を楽しむつもりで(と言ってあまり楽しかった記憶はないのですが)やってみてよいのではないでしょうか。

重要なのは、実行するための測定なので「私の場合は」を把握することだろうと思っています。

測定誤差について

これも気になるところです。(といっても私は今はほとんど気にしていないのですが)

測定誤差にも2種類あると思います。平均して血糖値が高く出るか低く出るか、という機種による傾向と、1回の測定での誤差です。

機種による傾向で私の使っているaccu chekはまあまあ適切に測定できているのではないか、と思っています。、自己血糖測定から推測するHbA1cと測定結果のHbA1cがまあまあつじつまが合うことと、日々の測定でまあそんなものだろうという実感です。

ただ、血糖値10くらいのブレは常にある、10程度までは気にしない、そんな感じです。

血の量が少ない(エラーになるかギリギリ位)だとおかしい数字(想定より20以上高い)ことがあります。そんな時は測りなおすこともあります。

ただ、基本的に測定しなおしはしないようにしています。2つ以上の数字があって都合の良い(納得できる)数字を選択することは、本当の傾向把握をゆがめる、異常に気づかないなどの問題が生じる可能性があるからです。

さて、この測定結果をどのように記録するか、もノウハウだと思いますので、また改めて記事にします。

コメント