これまであまり意識してこなかったのですが、インスリン分泌とインスリン抵抗性も指標があり簡単に調べることができます。
2型糖尿病患者のブログではあまり話題になることがないようです。
ネット検索しても、指標の計算式は出てきますが、数字の評価や程度について詳しい情報が見当たりません。
こんなときは、江部先生のブログを検索してみます。
沢山の記事がヒットしました。
指標の説明部分を引用させていただきます。
インスリン抵抗性指標
【HOMA-R】
HOMA-Rとはインスリン抵抗指数のことです。
HOMA-R=空腹時血糖値×空腹時インスリン値÷405
という式で計算します。
homeostasis model assessment insulin resistance
→略して HOMA-R
HOMA-Rが大きいほど、インスリン抵抗性が強いと考えられます。
1.6以下が正常で、2.5以上は抵抗性があると考えられます。
空腹時血糖値140mg/dl以下なら信頼度が高いです。
インスリン分泌指標
【HOMA-β】
HOMA-βは内因性インスリン分泌機能を推定する指数です。
HOMA-βは、空腹時血糖値と空腹時インスリン値で計算するのですが、
経口血糖負荷試験(OGTT)時の2時間値のインスリン分泌量と、
よく相関することがわかっています。
homeostatic model assessment beta cell function
→略してHOMA-β
HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/ml)÷(空腹時血糖値mg/ml-63)
という式で計算します。
空腹時血糖値130mg/dl以下なら信頼度が高いです。
正常値:40-60
血液検査では、空腹時インスリン値を測定するので、その結果から、HOMA-IRとHOMA-βを計算することができます。
私の今回(10か月)の検査結果は
空腹時インスリン値(IRI) 8.1
空腹時血糖値 130
です。そこから計算すると
HOMAーIR 2.6(インスリン抵抗性あり)
HOMA-β 43.5(ぎりぎり正常値)
となります。
ということは、今の私は、インスリン分泌はあるが、インスリン抵抗性が高いので、空腹時血糖値が下がらない、と推測できます。
これまで自分が考えていたことと全く逆です。やせ型=インスリン分泌が問題、肥満型=インスリン抵抗性が問題 とパターン認識していました。私の場合は、やせ形でインスリン抵抗性が問題、ということになります。
ということは、インスリン抵抗性が改善できれば、血糖コントロールもよくなることが期待できると考えられます。
この数字が固定のものなのか、変化するものなのか、血糖コントロールにどの程度影響するのか、などさっぱりわかっていないのでもう少し情報を集めてみることにします。
昨年の糖尿病発覚時に測定していないので、良くなっているのか悪くなっているのか変わらないのかなんともつかみどころがありません。
前の記事にも書きましたが、
やせ型の2型糖尿病の方、HOMA-IRがどの程度か変化したかなど、ご自身のデータを教えていただけませんでしょうか。
コメント
どちらも私は測定してもらったことがないのです。
お役に立てなくて、申し訳ないです。
やせ型2型糖尿病です。
ゆりかもめさん
謝っていただくようなことではありませんので、気になさらないでください。
やせ型でももしかしたら私のようにインスリン抵抗性が高い場合もあるので、ゆりかもめさんも一度測定してもらってもよいかもしれませんね。
ただいま出張で、東海地方のビジネスホテルからのアクセスです.
すべてのブログ記事を読み終えました.
HbA1c 6.0%(NGSP)から算出した換算平均血糖値は126.
これはほとんどホリデー様の空腹時血糖値に等しいですね.かなり厳格な糖質制限をされているようですから,
食後高血糖はあまり発生しない=したがってHbA1Cから算出した推定平均血糖値と空腹時血糖値が一致する.
当たり前と言えば当たり前ですが,ここまで一致するのも珍しい.
一方空腹時の血中インスリン濃度は8.1μuなので正常値範囲内のやや高め.HOMA-βはたしかに高いですが,極度に強いインスリン抵抗性というわけでもない.
となると,消去法から,肝臓の糖新生がいつも過剰ということになりますね.強度の筋トレですぐ血糖値が下がったというのも,それを裏付けていると思います.
個人的にはメトホルミンの出番かなとも思います.
しらねのぞるばさん
全部読んでいただいたとは、、、ありがとうございます。
また、的確に分析していただきました。
やっぱりメトホルミンですかね。今度クリニックを受診したときに医師に相談してみます。
ただ、なにせ「薬いらず」がモットーですから(これ、価値観ですから論的思考ではありません)
次回の受診(糖尿病1周年記念の来月受診のつもりです)まで、できる試行錯誤にチャレンジしてみます。
ところで、しらねのぞるばさんはアメリカの情報にも詳しそうなのでお聞きしますが、脂質制限+プラントベースのホールフードが糖尿病を治す、という情報はアメリカでは結構多いのでしょうか。もしご存知でしたら教えていただけると嬉しいです。
おはようございます.
米国西海岸に出張した時,同宿していた30代の米国人が私の朝食(普通に目玉焼きと山盛りのサラダ,コーヒーでした.パンはなし)を見て,「おっVeganだね? 俺もHealthyな食事を心がけているから,朝はいつもヨーグルトをBowl 1杯だけさ」と声をかけてきました.目玉焼きがサラダに隠れて見えなかったのでしょう. で,彼のテーブルを見ると,どうみても「バケツいっぱいのヨーグルト」としか,日本人の私には思えませんでした. まあ,胸の厚さなんか私の3倍くらいはありそうでしたから,あれくらいの量はいるのでしょうが.
>脂質制限+プラントベースのホールフードが糖尿病を治す,という情報
ADAが2014年のPosition Statementで,糖尿病の食事療法には,万人一律の”one-size-fits-all”はありえないと宣言しましたが,
Nutrients, foods, and dietary patterns as exposures in research: a framework for food synergy
https://doi.org/10.1093/ajcn/78.3.508S
ここに書かれている範囲であれば私も賛成です.
特に,
『食事の栄養構成は,対象個人の状態(脂質プロファイル,腎機能など)を勘案して個別に検討すべきであり,地中海食,DASH食,Vegan/Vegetarian食,低脂質食,低糖質食のいずれもそれなりに効果的である 』(S126:最左列 16行目-)
というのは,現時点で妥当な結論ではないでしょうか.二人の糖尿病患者がいて,同じ糖尿病とはいえ,その病態が違うのであれば,二人の食事療法の内容がまるで異なるのは当然です.違う病態なのに,一律・機械的に同じ食事療法を[食品交換表で]強制する日本糖尿病学会の考えは科学的ではありません.
ただ学術雑誌ではなく,米国全体のネット情報を見ると,Plant Based Whole Foodには,食事の『緑の党』とも言うべき極端な自然信仰を感じます.たしかに米国では肉食・加工食品があふれていますから,その反動なのか,日本の『食の欧米化は極悪非道』信仰に似た思考基盤ではないでしょうか. 肉類を忌避するあまり,魚まで食べないとなると,蛋白質は植物性だけになりますから,必須アミノ酸を過不足なく摂れるだろうかという疑問もあります.
なお,私自身は,糖質制限開始後,肉の摂取は増えていません. 一番増えたのは野菜で,昔の3倍以上は食べています. 次いで増えたのが大豆製品(自宅での朝食が,ホームベーカリーで焼いた 大豆/ふすま パンになったから). そして 魚,乳製品…といった順位です. 結果として総蛋白と食物繊維は大幅に増えています.カロリーは2000kcal/日くらいですが,これは日間変動が激しいです.
糖質制限を自分ではやらずに,想像イメージだけで『糖質制限すると肉と揚げ物ばかり』などという人が多いですが,私の食事を見たらVeganと間違えられるのも無理ないところです.
しらねのぞるばさん
お答えいただきありがとうございます。
>Plant Based Whole Foodには,食事の『緑の党』とも言うべき極端な自然信仰を感じます.
やっぱりそうか、と思いました。菜食がもともとそういう傾向もあるようですから。
ただ、論文や調査研究が出ているのなら無視もできませんね。
しらねのぞるばさんは、肉の摂取が増えていなんですね。糖質制限とってもひとくくりにせず、補完する食品をどのように摂取するかのパターン分類などあってもよいのかと思いました。私の場合は肉も野菜も増えています。一番増えているのは大豆かもしれません。
先日、家で一人でいて食事を作るのが面倒で、おから蒸しパンを主食に納豆と豆腐がおかず、飲み物は豆乳という食事をしたりしました。バランスが良くないですね。緑の生野菜もお肉(鶏肉が好きなので)も量は増えています。
どうみても「バケツいっぱいのヨーグルト」― 笑ってしまいました。