糖質制限と耐糖能-糖質制限で耐糖能は下がる?上がる?

糖尿病は完治しない病気です。医学的にはそうなっています。一生治療は継続します。そして徐々に進行し合併症も出てきます。

糖尿病治療の目標は合併症が出ても、失明せず、足の切断もせず、人工透析にも至らないこと、心筋梗塞や脳梗塞を発症しないことです。

糖質制限により糖尿病治療を行うと、血糖値が上がらず、血糖値の変動は健常な人とほぼ同じ範囲で推移するので合併症が起こらないと考えられます。実際第一人者の江部先生も糖尿病発症後15年以上合併症が発生していません。ですから、従来型のカロリー制限の食事療法より糖尿病治療として効果的と考えられます。
また、実際に糖尿病治療を糖質制限で行うとHbA1cが9~11くらいの患者でも3か月から半年程度で、血糖コントロール目標のHbA1c6.0未満を達成しているケースが多いようです。(残念ながらホリデーは5か月で6.0という何とも微妙な状況ですが)

糖質制限について、日本糖尿病学会は治療として認めておらず、食事としての長期の安全性について問題ありとしています。医学的な長期の安全性のエビデンスがないことは事実です。(長期の安全性については最近の治療薬DPP4阻害薬やSGLT2阻害薬も同様です。何十年にもわたる安全性を検証していたのでは新薬は世に出ることができません。しかし、薬は長期の安全性のエビデンスがなくても良くて、食事療法はダメ、というのは素人ホリデーには納得できないところです)

糖質制限について、日本糖尿病学会は治療として認めていないのでその治療効果について、批判的な検証がなされていません。日本糖尿病学会の医師の書籍ではだいたい、「血糖値を下げる効果はあるかもしれないが、、、、」との論調です。

患者は病気を治したいというのが自然な希望です。糖尿病については、健康な人と同じ食事をしても血糖値が大きく上がらず140未満で収まることです。2型糖尿病患者にとっては耐糖能(ブドウ糖の処理能力が)が向上することです。

治療としての糖質制限についてネットによく出ている批判として、この耐糖能が下がる、というものがあります。
「糖質を取らないから血糖値のコントロールはできるが、少し糖質を取っただけで血糖値が上がるようになる」といった説です。

糖尿病治療として糖質制限を選択したホリデーとしてはこれは気になるところです。

糖質制限で耐糖能が下がるという説明として
筋肉と同じで使わないと衰える、糖質を取らないと膵臓がどんどん弱くなる
があります。なるほどそうか、と思います。確かに自分も使わなかったこと+加齢で筋肉は衰えまくりです。

糖質制限で耐糖能が下がらないという説明として
お酒をほとんど飲まない生活をしていると少しお酒を飲んだだけで酔うが肝臓が弱くなっているわけではありません。糖質制限と耐糖能も同じで、糖質制限ですい臓を休めて膵臓は回復するが、糖質に慣れていないので少し糖質を取ると血糖値が上がるだけのことだ、という説明があります。なるほど、と思いました。自分でも実感があります。私はお酒はあまり強くないですが、仕事の付き合いでしょっちゅうお酒を飲んでいた時は飲目る量が上がりました。これって肝臓が強くなったわけではなく肝臓に負担を強いていただけだと思います。

糖質制限で耐糖能が上がる説明として
糖尿病患者は膵臓を酷使してきて膵臓が弱っているのだから糖質制限で膵臓をを休めることで膵臓の機能は回復して耐糖能は上がる(壊れたβ細胞は回復しないが疲労しているβ細胞は回復する)があります。これも納得できます。

どれも説明としてわかりやすく説得力もあるのですが、何が正しいのはホリデーにはわかりません。
いずれも仮説であると考えています。
患者として糖尿病治療を学習して、説明はすべて疑ってみる、という癖がついてしまいました。
(医師の言うことを信じていたら糖質制限ではなくカロリー制限で頑張っていたと思います)

何が正しいかわからない中で、自分の対処を決めないといけないのは悩ましいですし、自分のやっていることを疑うことはストレスにもなります。

今のところは糖質制限をしながら少しでも耐糖能が上がるといいなあと思っています。
糖質を取ると私の場合30gで200を超えてしまうので(少し運動をすれば200は超えませんが)、血糖値上昇⇒血管損傷⇒合併症発生 を避けたいからです。

コメント

  1. neko より:

    こんばんわ。
    混乱しますね。
    「糖質に慣れていないので少し糖質を取ると血糖値が上がる」ですか。
    どこかの本では、糖質制限を続けると多少糖質をとってもあまり影響が出ないようになる、と読んだ気がします。逆ですね。

    今、「あなたの体は9割が細菌: 微生物の生態系が崩れはじめた」コリン,アランナ著 という本を読んでいます。糖質制限とは関係ないのですが、人体というものは精神的なものも含めて様々な影響を受けているので多面的に捉えた方が全体像に近づけるのではないか?というのが私の感覚です。さて、この本によると、例えば糖質を多く摂取している人の体の中では糖質を栄養分とする細菌が繁栄しており、同じ糖質量を摂取しても吸収力が強くなるそうです。

    糖質制限で私が感じる効果ですが、1日2食で大丈夫になったことです。あと、食事がより美味しく感じること。体力もついてきたように感じるのですが、何せ糖質をバリバリ食べている義兄(68歳)が駅の階段をかけ上がるような人なので、それに比較すると体力ないなーと思ってしまって(笑)。夫に比べて効果は比較的穏やかですね。

    • ホリデー より:

      糖尿病に診断に使う耐糖能をチェックするブドウ糖負荷試験でも、WHOの1999年のガイドラインでは試験前の三日間は毎日最低でも150グラム以上の糖質摂取、試験前日の晩ご飯では30グラムから50グラムの糖質を摂取するように注意書きがあるそうです。いきなり糖質をたくさん取ると体がびっくりするのではないでしょうか。

      一日2食で大丈夫というのはよく聞く話ですが人それぞれなのでしょうね。私の場合は3食食べたくなります。ただ、最近は外での仕事で昼食を提供されたときに炭水化物ばかりで食べられないときに食べなくても大丈夫になってきました。夕方にはおなかがすいてきますが。結果的に外での食事にストレスは減ってきています。家にいるときに比べると外食はストレスは感じますけど。

  2. painn より:

    おはようございます!
    いつもブログ内容が、私も思い考えている事と一致しています。
    使わなければ 退化していくというのも そうかと思うし、
    糖質とると、血糖直ぐに200超えというのも、悩ましい。
    少しずつ食べて、分食 運動かなとは、思います。
    将来的に a1c、5%台 で、100g位のご飯が、食べれるようになりたいですね❣️
    食後1時間値が、160までで収まってほしいものです。
    どうすれば良いのでしょう。
    やっぱり筋肉つけるでしょうか?

    • ホリデー より:

      糖質制限している糖尿病患者の悩みも結構似ているのですね。
      少しでも耐糖能がよくなったほうがよいと思うのですが、その方法論は悩ましいところですね。
      治療を実践しながら良い情報を探し続けるしかなさそうですね。
      お互い頑張りましょう。