カナダ糖尿病学会と糖質制限

糖尿病・糖質制限関連情報のチェックは、江部先生のブログを見た後、にほんブログ村の2型糖尿病ランキングで記事が更新されたブログを見る、その後highbloodglucoseさんの「高血糖な日々」他いくつかのブログをチェックするのが日々のルーチンです。
と言ってもブログ更新をしていなかった数か月はほぼ見ていなかったので、今も毎日チェックしているわけではありません。

PBWFを実践、その情報を提供されているKさんの「それでも生きていく」の記事に目が留まりました。

アメリカ糖尿病学会では「推奨される食事パターン」の一つという位置づけですがカナダ糖尿病学会は一歩進んで、積極的に推奨する、というスタンスになっているようです。

アメリカ糖尿病学会など、糖尿病学会は徐々に糖質制限を認めつつある流れなのか、と思っていたので、ちょっと驚きました。

「カナダ糖尿病学会」で検索すると、「ドクターシミズのひとりごと」に カナダ糖尿病学会も糖質制限へ という記事を発見しました。

ドクターシミズによれば、カナダ糖尿病学会の出した低炭水化物食の見解内容から、「糖尿病カナダ(カナダ糖尿病学会)は、完全とは言えないまでも、かなり糖質制限容認の方向に向いたと言えます。」とのこと

PBWFは高炭水化物食と思われ、低炭水化物食とは対極になるとも言えそうです。カナダ糖尿病学会は何を(どちらを)推奨しているのでしょうか?

Diabetes Canadaのホームページを確認すると、

Meal planningのページの記載(太字の目次)は、以下です。

Portion size (食べる量が重要)
Focus on eating healthy carbohydrates(健康的な炭水化物を食べる)
Eat more whole foods and less highly processed foods(ホールフーズと加工されていない食品を)
Choose more vegetables and fruit(より多くの野菜と果物を)
Limit sugars and sweets(砂糖とお菓子は制限する)

これを読む限り、砂糖や甘いお菓子以外の炭水化物を積極的にとろう、と推奨しているように見えます。糖質制限を認めているようには見えません。

一方、ドクターシミズの指摘する見解には、低炭水化物食、超低炭水化物食が、HbA1cと体重減少に高価か理との研究があることを認める一方、合併症や死亡率低下との関係は不明、持続可能性も?と指摘しているようです。

関心のある方は、Kさんの「それでも生きていく」や「ドクターシミズのひとりごと」、或いは Diabetes Canada のホームページをご覧ください。

私は日本糖尿病学会が、糖質制限も糖尿病治療の一つの方法であると認めてくれる日が来ることを願っています。もし日本糖尿病学会が見解を変えるとしたら、自ら変えるより多分外圧の方が効果がありそうな気がして、日本以外の糖尿病学会の見解にも関心があります。
他の方のブログを見ているだけで情報を集められるのはありがたいことです。

コメント

  1. highbloodglucose より:

    お久しぶりです。
    名前が出てきたのでびっくりしました(笑)

    わたしもDiabetes Canadaのサイトを見てみました。
    2018年のガイドライン
    http://guidelines.diabetes.ca/cpg

    この中の11 Nutrition Therapyの中の、Popular weight-loss dietsという項目で、低炭水化物食について記載されています。読むと、否定的な書き方だと感じます。
    以下、少し長いですが、自動翻訳したものです。
    (ここから)
    糖尿病の人には、さまざまな主要栄養素を提供する、多くの一般的な減量食がある。Atkins、Zone、Ornish、Weight WatchersおよびProtein Power Lifeplanを含むこれらの食事のいくつかは、一部の糖尿病患者を含む過体重または肥満の参加者を対象とした長期ランダム化比較試験の対象となっているが、糖尿病患者のみを対象とした試験は実施されていない。Atkins食の4つの試験とProtein Power Lifeplan食の1つの試験(同様の極端なCHO制限のある食事)の系統的レビューとメタ分析は、これらの食事がTGとHDL‐Cの改善を伴う体重減少の誘導において従来のエネルギー制限、低脂肪食より有効ではなく、TCとLDL‐Cの増加によって1年まで相殺されることを示した。しかし、Protein Power Lifeplanダイエットは、1年後の2型糖尿病のサブグループにおいて、エネルギーを減らした低脂肪食と比較してA1cの改善を示した。Dietary Intervention Randomized Controlled Trial (DIRECT) では、カロリー制限のある低脂肪の従来の食事と比較して、Atkins食では体重が減少し、脂質プロファイルが改善することが示された;しかし、その効果は2年後のカロリー制限された地中海スタイルの食事と変わらなかった。さらに、地中海式食事は2型糖尿病の参加者のサブグループにおいて2年でのFPGに対してより好ましい効果を示した。Atkins、Ornish、Weight WatchersおよびZone食を比較した別の試験では、過体重または肥満の参加者、そのうち28%が糖尿病であった、で1年後のFPGに影響することなく、同様の体重減少とLDL‐C:HDL‐C比の改善が示された。3ヵ月以上経過した一般的な食事に関するすべての試験を比較したネットワーク系統的レビューおよびメタアナリシスでは、12ヵ月時点で、2型糖尿病を含む一連の代謝表現型を有する過体重または肥満の個人において、個々の食事間の体重減少の差が最小限であったことが明らかにされた。
    (ここまで)

    しかしながら、ドクターシミズがブログで紹介していた、今年2020年に出されたレビューによると、かなり認識が変化しているように思います。
    Diabetes Canada Position Statement on Low-Carbohydrate Diets for Adults With Diabetes: A Rapid Review
    https://www.canadianjournalofdiabetes.com/article/S1499-2671(20)30097-6/fulltext

    この内容を短く紹介したのが、
    New guidance regarding low carbohydrate diets for adults living with diabetes
    https://www.diabetes.ca/media-room/press-releases/new-guidance-regarding-low-carbohydrate-diets-for-adults-living-with-diabetes

    (自動翻訳したもの ここから)
    糖尿病患者からの最も人気のある質問の1つは、「何を食べるべきか」である。人々は最新の食品や食事の傾向に溢れている可能性があり、糖尿病管理をサポートするための健康的なライフスタイルをサポートする正しい食事パターンを決定するのは難しい場合がある。
    「糖尿病の成人のための低炭水化物ダイエット:迅速なレビュー」に関するDiabetes Canadaの見解は、糖尿病に関連するこの食事パターンに関する最新の証拠の概要を示している。
    「糖尿病患者は、糖尿病管理についての選択を導くために利用できる最良の情報を持っているべきだと信じている」と、Vice-President of Science & PolicyのSeema Nagpalは述べている。 「低炭水化物(CHO)ダイエットと糖尿病に関する私たちの新しい見解と要約は、個人に最新の研究を知らせ、ケアのためのいくつかの推奨事項も提供する」
    過剰なカロリー摂取と精製された炭水化物の過剰摂取は、肥満と2型糖尿病の流行の主な要因だが、肥満は1型糖尿病の人々にとっての課題として浮上している。カナダの糖尿病の予防と管理のための糖尿病カナダ2018臨床診療ガイドラインは、より健康的な体重を達成し維持するために、栄養的にバランスの取れた、カロリーを減らした食事の重要性を強調している。これは、個人の好みや治療目標に基づいたいくつかの栄養計画で達成できる。
    全体として、低CHO食に関する研究では、A1cレベルの低下、インスリン必要量の減少、ブドウ糖の変動の減少、体重減少など、1型糖尿病の人々にいくつかの改善が見られた。 2型糖尿病患者の低CHO食に関する研究でも同様の改善が見られた。長期的な影響はまだわかっていない。
    Diabetes Canadaはまた、糖尿病とともに生きる個人のための見解声明として証拠の要約を作成した。
    「低炭水化物ダイエットを希望する糖尿病患者には、医療専門家に専門家のアドバイスを求めることをお勧めする」とNagpalは述べる。 「栄養士は、個人の状況やライフスタイルに合わせた持続可能な計画の作成を支援できる。また、コミュニティで栄養士が利用できない場合、個人は糖尿病医療チームのメンバーに相談して、全体的な管理の一環として専門家のアドバイスとサポートを求める必要がある」
    (ここまで)

    Rapid Reviewにはもっと具体的に低CHO食について記載があります。
    結論としては、低CHO食は短期では効果があるが長期的には分からない、という感じです。
    その理由として、どの食事療法でも長期間の遵守が難しいことが挙げられています。
    つまり、その短所は低CHO食に限ったことではなく、全ての食事療法に言えるということですね。

    Diabetes Canadaが糖質制限に向かうというわけではなく、米国糖尿病学会と同様、糖質制限も選択肢の一つとして正式に認める、ということだと思います。

    個人の嗜好も含め、多様な食事療法を選べばよいということですね。
    どの食事療法が優れているとか、そんなことではないように思います。

    • ホリデー より:

      highbloodglucoseさん

      詳細な情報有難うございます。深謝です。
      あまりにすごいので、そのまま記事にしてUPしておきます。

      私もまた時間のあるときに読んで考えてみたいと思います。