糖尿病食事療法日米比較(1)

3か月ほどブログをほとんど更新せず、糖尿病関係の情報も見ていなかったので、何か変化はあるのだろうかとアメリカ糖尿病学会のホームページ、日本糖尿病学会の糖尿病治療ガイドなどを見てみました。

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アメリカ糖尿病学会

約一年前に出たアメリカ糖尿病学会の栄養療法コンセンサスレポートはネットでは随分話題になりましたが、その後改訂(加除修正)がされているようなので、大きな変化があるのか確認してみました。

コンセンサスレポートそのものは、量が膨大で読むのが面倒なので、患者向けにコンパクトにまとまっているホームページの内容を確認しました。

What Can I Eat?

概  要

ホームページはこちらです。

内容は以下の4項目です。
・要旨(文章)
・主なポイントのビデオ
・いくつかの食事療法と効果の表
・キーポイントをまとめたPDF

要 旨(要 約)

2019年のコンセンサスレポートは過去5年間で600件以上の研究論文・記事を検討して、糖尿病患者に効果的な食事パターンを検討した。
すべての人に効果的な唯一の魔法の方法はないが、血糖管理に役立つシンプルなガイドラインはある。

ビデオメッセージ

一分間ほどのビデオメッセージです。以下その中のテキストです。
尚、日本語は私の訳、緑は私の感想です。

2019 ADA Nutrition Consensus Report
The #1 question for people with diabetes is What can I eat?
Here are 5 simple tips

1.Choose whole,unprocessed foods over processed foods
加工された食品よりも未加工の食品を選ぶ

糖尿病患者のブログではKさんのそれでも生きていくが、プラントベースホールフード(PBWF)の実践と関連するの情報を多く掲載なさっています。PBWFは高炭水化物で糖質制限は対極のようですが、ホールフードそのものは糖質制限とも共存するのでしょうか。そもそもホールフーズとは何かを何となくは理解していますが明確には理解できていません。もっと関心を持ってもよいのかも、と思います。
私の主食の「おからこ粉パウダー」がprocessed foodsだとしたら、私はこれには反する食生活をしていることになります。

2.Eat non-starchy vegetables
でんぷん質でない野菜を食べる

これは糖質制限でもそうなりますね。私の糖質制限食では、青物野菜で糖質の少ないものをたくさん食べています。

3.Limit or avoid foods with added sugars and refined grains
砂糖や精製された穀物を制限するか避ける

これは糖質制限そのものと言ってもよさそうです。

4.Drink water instead of soda,diet soda or sugar drinks
ソーダやダイエットソーダや砂糖を含む飲料の代わりに水を飲むこと

糖質を多く含む飲料(ジュースや炭酸飲料など)は、糖質制限を始めてからほとんど口にしていませんが、人工甘味料のダイエットコーラはよく飲んでいます。糖質制限としてはOKだと思うのですが、ダイエットコーラ(糖質ゼロ)もdiet sodaに含まれるのでしょうか。
これは、私は今のところ糖質制限OK飲料として飲み続けるつもりではいますが。

5.Low-carb,vegetarian and mediterranean diets have shown a positive effect on managing A1C
低炭水化物、菜食、地中海食はA1Cをコントロールするのに効果があることが示されている

血糖コントロールに効果ありと研究などで示されたのはこの3つの食事パターン、という事ですね。ただし、他の方法が効果がない、と言ってるわけではありません。

There is no magic diet for diabetes.
糖尿病に対する魔法の食事療法はない

コンセンサスレポートでも、糖尿病食事療法に唯一の魔法の方法がないことは言われていますが、それを強調するのはどうしてなのか、そこが知りたくなります。

Everyone’s body responds differently to different types of food,so find what works for you to help manage youe blood sugar rlevels

様々な食品に対して人の反応はそれぞれ異なるので、何が自分の血糖コントロールに役立つか見つけよう

同じ食事療法をしても効果は人によって異なるし、自分にあう食事療法を見つけるしかないという事になります。だとしたら、たまたまカロリー制限派の医者にかかったらカロリー制限を勧められ、糖質制限派の医者にかかったら糖質制限を勧められる、では困るような気がするのですが、、。
また、炭水化物、たんぱく質、脂質の摂取比率で治療効果などを見る研究は、人の反応がほぼ同じことを前提にした統計研究ですから、ほとんど意味がないことになるのではないでしょうか。
むしろ、研究した方がよいのは、例えば同じ食事療法を行って効果が異なる理由はないかを見つけるような研究ではないでしょうか。その要因がわかれば、自分にどの食事療法が適しているかを知る目安になるかもしれません

(続きます)

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