医師とのコミュニケーションー伝わらない理由1

しらねのぞるばさんのブログを拝見しました。

コメント欄で西村様と 「とむ^^2型糖尿病」様が,まったく同じ感想を述べられています.

私は2ヶ月に1回の割合で検査のためにクリニックに行きますが、毎回、言いたいことが半分も伝わっていないような気がしています。
西村 典彦 様

医師との言葉のやり取りは難しいですね。私なんかほんとに伝えたい事の半分も理解してもらっていません。
とむ^^2型糖尿病 様

コミュニケーション理論とそのスキルは私の”専門”領域の話でもあり(20年ほど研修や個人面接(カウンセリング)を業として行っております)、また、患者当事者として医師とのコミュニケーションには感じることもあるので、書いてみます。

言いたいことが伝わらない、ということについての一般論ですが、

(考えたり思ったりしている)伝えたいこと  と 実際に伝えたこと はイコールではありません。

実際に伝えたことと 相手に伝わったこと(相手が理解したこと)はイコールではありません。

これがコミュニケーションの一般論です。

そして、伝えたいことが伝わっていない、と感じるときには様々な要因が考えられます。

伝えたいことを相手が理解できる言葉にする、というのは意外に難しいものです。
また、たくさん伝えたいことがあるために、その一部しか伝えることができず、結果として相手には言いたいことが伝わらない、ということもよくあることです。

さらに、実は、伝えたいこと(≒相手にわかってもらいたいこと)が自分で明確になっていないので、コミュニケーションを終えた後に不全感が残ることはよくあることです。

 

糖尿病対処は、大げさでなく長期的には自分の命にかかわることです。食事療法も運動も体調管理も毎日は変化がなくてもいろいろなことが起こりますし、気がかりなこともあります。
2~3か月に1回、たった5分程度で、自分が考えたことや気になっていることを医師に伝えてわかってもらうのは私には難しいです。
まして私の場合、少しは学んだのであれこれ答えが出ていないことを気にしていたりしますから、それを5分で共有することができるのだろうか、と思ったりもします。

コメント

  1. しらねのぞるば より:

    私も現役時代に,社内研修などで;

    伝わる内容 = わかりやすさ係数f1 × 相手の興味係数f2 × 伝えたい内容W

    であり,たいていの場合,f1とf2 は1よりかなり小さい,だから いくらいいことを言っても,f1やf2が大きい人に負けてしまうのだ

    と強調していました.
    でも,たいていの人は 私も含めて 内容さえよければ 必ず 相手は感銘するはずだと信じているのですよね. 特に 理科系・技術者はもう最悪です.科学術語をそのまま使ったり,ひどい時には その略語だったり.

    • ホリデー より:

      しらねのぞるばさん

      早々のコメントありがとうございます。
      なるほど、と思わせる公式ですね。
      私は文系ですが、理系8割の会社に20年以上勤務していましたので、エンジニア・研究者の思考パターンはある程度は肌感覚としてわかる(同感・共感できる)つもりです。(エンジニア・研究者とひとくくりにするのは大変失礼なことではありますが)

  2. apple より:

    ホリデーさん
    ご無沙汰しております
    appleです

    コミュニケーションというのは
    病院に限らず日々の生活のなかでも
    なかなか難しいものだと思います

    少し脱線しますが
    昨今盛んにメディアなどで取り上げられるようになった発達障害の方などは
    特にコミュニケーションが苦手で
    生きづらさを感じることが多いようです

    AIが医療分野で重宝される時代が来るようですが
    糖尿病外来にも
    適宜AIによる診察を取り入れてもいいかもしれませんね

    • ホリデー より:

      コメントありがとうございます。
      無反応で申し訳ありませんでした。

      ブログ、再開します。

  3. 西村 典彦 より:

    私は2ヶ月に1回の割合でクリニックを受診するのですが、この時に話したいことは、その間に起きたことについて論理的な会話をしたいのですが、専門医である主治医には、申し訳ないですが知識レベル(知識の方向性)が違い過ぎてとても5分では無理です。私のやっていることを理解してもらうには、その背景から順番に説明する必要が出てきます。

    私はガイドラインを無視したスーパー糖質制限を実践して日々、起こったこと、今後の対応などを論理的に会話したいのですが、一般的な医師はガイドラインに沿った治療を基本としてそこから大きく外れた方法について(どんな弊害があるかも含め)学ぶことはないでしょう。

    「言う事を聞かないのなら来なくてよい」と言われないだけよかったと思っています。当初、言われかけましたが、結果を出せば言えなくなったようです。
    母の認知症の主治医には認知症薬のリスクについて話そうとしたら顔色を変えて「それならここでは見れません。」とはっきり言われましたから会話にもなりませんでした。

    このようなレベルの医師と意に反した事について論理的な会話をしようと言う方が無茶かもしれません。< 諦めませんよ(笑)

  4. 西村 典彦 より:

    遅レス、すみません。

    新入社員研修などを担当すると伝える事のむずかしさがよくわかります。

    伝えたいことが伝わったかどうかを確認する方法として、伝えた相手に理解した事を説明してもう事にしています。
    ある事柄を説明する上で必ず、いくつかの重要なキーワードがあります。それらがちゃんと説明に盛り込まれているかどうかを正しく理解できたかどうかの判断材料にしています。
    ちゃんと理解できた人は、そのキーワードをもれなく使って説明しますが、そうでない人は全くキーワードが出てきません。そのキーワードがその事に重要だと言う認識がないためと思います。
    この方法で個人個人が何を理解して、何が理解できていないか、理解できていないのはなぜか(別のキーワードが出てきたりすると方向性が違う事が分かります)を把握し、フィードバックしています。

    それ以前に、年々、簡単な漢字が読めない新入社員が増えて困っています。内容を理解する以前の問題にまでエネルギーを使わなければいけないようです。
    私自身、上手く説明することは得意ではありませんので、言いたいことを「正確に」「もれなく」伝えるのはなかなか難しいですね。
    みなさんのブログは、非常に勉強になります。

    • ホリデー より:

      コメントありがとうございます。
      無反応で申し訳ありませんでした。

      ブログ、再開します。