2型糖尿病が治る人、治らない人

しらねのぞるばさんが、「2型糖尿病って本当にあるのでしょうか?」というシリーズ記事で、2型糖尿病の分類に関する研究を紹介されています。

このブログを読んている方はほとんどこのシリーズ記事をご覧になっていると思うので、内容は省略しますが、ぞるばさんの考えになるほど、なるほど、と読ませていただきました。とても面白い記事です。

ぞるばさんは、インスリン分泌能が健常者に近い人たち、妊娠糖尿病と軽度肥満糖尿病(軽度とは肥満の程度ではなく、インスリン抵抗性の重症度のようです)が治る、としています。

一部引用させていただきます。

妊娠糖尿病は,出産により『妊娠』という状態から脱却すれば,正常に戻ります. つまり『治ります』

とすれば,Cluster4の軽度肥満糖尿病も,減量により『肥満』という状態から脱却できれば,正常に戻るはずです. つまりこれも『治る』糖尿病なのです.『寛快』ではなく『完治』あるいは Reverseです.(もちろん妊娠糖尿病と同じく,将来の糖尿病リスクは残るでしょうが)

インスリン抵抗性の原因が肥満であるのなら,『肥満』という状態から脱却すればインスリン抵抗性は消失し,したがって糖尿病は『治ります』.これは妊娠糖尿病が可逆的であるのと全く同じです.
よく米国の糖尿病啓蒙WEBなどで,糖尿病を克服したという写真が出ていますが,目立つのは糖尿病を克服したというよりも,信じがたいほどの巨漢サイズから普通サイズへの減量に成功したということです

ぞるばさんは、糖尿病の原因がインスリン分泌の低下ではなくインスリン抵抗性が原因で肥満の場合は肥満の解消により治る場合がある、としています。

これは、自分に参考になる事例をあれこれ探した私にもうなずける(思い当たる)点があります。

ネット上で、糖尿病が劇的に改善した人たちの報告やブログを目にします。
劇的に改善とは、私が勝手に使っている言葉ですが、3か月から半年でHbA1cが10程度以上から5%前半程度に改善し、糖質をとっても食後血糖値があまり上がらなくなる(治った)状態になっている人のことです。

その多くが肥満の解消も同様に報告しているように思います。
江部先生のブログの患者の報告でもそんな傾向があると感じます。(治った話は少ないですが)

肥満でなくて劇的に改善しているケースもあります。

私が最初のころ参考にしたカステーラさん(カーボカウントの考えを応用して、食事と運動で食後血糖値をコントロール)の場合は、糖尿病発覚時のBMIが23ですから肥満ではありません。
カステーラさんは、カーボカウントの開始3か月ころと思われる投稿で以下のように記述しています。、

2型である私の場合、1回の食事の炭水化物量が40g以内なら食後の血糖値はまず200を超える事はありません。おおむね150前後で抑えられるはずです。しかし、炭水化物量が70gを超えると、食後の血糖値もほぼ間違いなく200を超えます。

ここから、糖質1g当たり血糖値上昇は1.5~2程度ではないかと推測できます。

肥満でなくても、インスリン分泌能(食後の追加分泌)がそれほど弱っていない場合は改善可能ということではないか、と思います。

さて、私が治る可能性はどうなんだろう、と期待を込めず客観的に見ようとすると、

① 糖質制限(15g/食程度)を1年間行って、治るレベルになっていない →治る可能性は低い

② 糖質1gで血糖値が3程度上がる → インスリン分泌能は、2型糖尿病の標準レベルまで傷んでいる →治る可能性は低い

③ 空腹時血糖値が良い時でも3桁である。かつ、朝は暁現象がみられる。
→暁現象は、糖尿病の罹病期間の長さを物語っているのではないだろうか(根拠はないけど)

④ インスリン抵抗性は、若干あり(多分朝だけ)
→インスリン抵抗性の改善は少しは期待できるが、治るレベルまでの影響はないだろう。

などから、治る可能性はあまり期待できない、と思った方がよさそう、と思っています。

改善を期待しないのではなく、治ることばかり考えて(実は存在しないかもしれない)治療法探しばかりしてみたり、治らないことにがっかりしてバーンアウトしたり、は避けたい、ということです。

それが糖尿病の受容、ということでもありますが、以前書いた「糖尿病の受容」の記事はあまり皆さんの関心がなかったようです。

コメント

  1. あじふらい より:

    受け入れるってのは大切ですね。
    足掻くより受け入れることで見えてくる世界もあるでしょうし。
    自分は足掻くのがちょっと楽しくなってきて、足掻いちゃってるとこもあります。
    結果が出なければ楽しくないでしょうし、いずれ受け入れることも考えなきゃいけないのかも、とは思っちゃうこともたまにあります(´・ω・`)

    • ホリデー より:

      よくなっている間は、さらによくなることを期待して行動する、が最適な実践と思います。治るののはそのような実践の積み重ねでしょうから。
      さらに良くなるよ良いですね。