耐糖能ブドウ糖実験と尿糖と食後血糖値目標

ブドウ糖錠剤による耐糖能実験について、しらねのぞるばさんからコメントをいただきまた、新たな発見がありました。

実験結果(再掲)

実験概要:ブドウ糖錠剤を一定量のみ、血糖値の上昇を確認する。(他の食材や運動などの影響を受けずに、膵臓の実力を確認できるはず)

ホリデーしらねのぞるばさん
糖質量24g12g18g24g30g
0分114939510197
10分115117127134
20分127140164169
30分184121162178190
45分179
60分196100124165158
75分184
90分170
105分149
120分1299997112108
180分9894103101

しらねのぞるばさんからのコメント

(アンダーラインはホリデーが勝手につけています)

ミニ糖負荷試験の結果を拝見しました. 同じ方法で別の方がやっていただくと,私にも非常に参考になります.

そこで二人の結果を比べると,全般に同一ブドウ糖量でホリデー様が高めですが,これは糖尿病を自覚した時点の違いだと思います.幸いにも私は医師に糖尿病と言われる前に自分の耐糖能異常に気づいたので,かなり初期から糖質制限食を開始したことになります.

なおホリデー様の結果を見て気づいたことがあります. 一般に血糖値が170を越えると,尿に糖があふれ出しますので(尿糖閾値),ピーク血糖値がこの閾値を越えない程度のブドウ糖量に加減して行った方がいいと思います. そうすれば きれいなピークを描くグラフが得られますし,安全でもあります.
そういう意味では,私の場合も24gブドウ糖では少しグラフの先端がつぶれていますから,本当の意味での私の絶対安全線は18~24gの間のどこかであろうと思っています.

また耐糖能は,そう変化するものでもないでしょうから、1年に1回程度でもいいかと思います.

実験後に思ったこと

しらねのぞるばさんからのコメントで思ったこと

私の耐糖能と糖尿病発覚の遅さ

しらねのぞるばさんと比べて耐糖能は低いわけですが、ぞるばさんのご指摘のように糖尿病の発見の早さの影響もあるのかもしれません。(個人の体質の差の可能性もありますが)。私の場合は、
・5年間健康診断していない
・眠っても眠っても眠いという自覚症状と体重減少で受診、随時血糖値308で発覚
なので、相当に膵臓のダメージがあったということと思います。
早めの発見ですぐに食事療法や運動療法を行えば、回復の可能性もあるのでしょう。
残念ながら私は、回復の期待をすくなそうということを受け止めたほうがよさそうです。

尿糖閾値から考えたこと

尿糖閾値というのは知りませんでした。「血糖値が170を越えると,尿に糖があふれ出します」ということは、170以上は体に良くない(処理する腎臓か血管にかはわかりませんが)と理解してよさそうに思います(根拠はない素人考えです)
糖尿病ネットワークには血糖値が160~180を超えると尿糖が出る、とありました。
ということは、
食後血糖値のピークを160以下にするというのが目標値として望ましいのではないか、と改めて思いました。

「同じ方法で別の方がやっていただくと、、、」

このデータがたくさんあって、その人たちがどのように血糖コントロールをしているのかがわかると、自分の参考にもなりそうです。
実験してみた方がいらっしゃったら、ぜひコメントください。
記事にしたいと思います。

この実験の応用で、運動の血糖コントロール効果実験もできそうな気がします。
(実験のための実験になりそうで、自分がやろうとは今のところ思っていないのですが)

実験してよかったと思うこと

耐糖能が少し良くなっているように感じていたが、それは誤解だった。
ちょっと残念ですが、自分の実力が把握できたことは、血糖コントロールの対処方針がとても明確になりました。

純粋にブドウ糖だけでどれだけ上昇するか、およびどれだけの時間で下がるのか分かったことは、食事や運動を合わせた血糖コントロールに参考になります。

この実験と実際の食事

この実験結果だけで考えると食後血糖値のピークを160未満、2時間値を140未満とした場合、

絶対安全圏は糖質15g以下
20g程度の場合は、食後に軽い運動をした方が良い
それ以上の場合は、強めの運動(または薬)が必要

というところでしょうか。

ただ、少し最近の実感と異なるところがあります。

しらねのぞるばさんから新たな有益なコメントをいただいたので、また考えて記事にしたいと思っています。

自分の実力を知る、という点では、
・2,3回実施して同じか確かめる
・朝の空腹時から実施したらどうなるか確かめる
こんな実験はいずれ実施してみようとも思っています。

 

コメント

  1. highbloodglucose より:

    初めまして。
    いつも興味深く拝見しています。

    糖負荷試験の結果は人それぞれでおもしろいですね。
    わたしは持効型インスリンとGLP-1受容体作動薬、メトホルミンを使用しているので、
    投薬なしの人とは比較できないのですが、
    同じように純粋なブドウ糖を摂取して血糖値の変化を調べたことがあります。
    https://ameblo.jp/highbloodglucosediary/entry-12413693715.html
    たった10gですが、血糖値が60ー70mg/dl上昇しました。
    測定間隔が30分だったので、ピークを逃している可能性は高いです。

    ほかにも検証しているものがありますので、
    もしよければわたしの検証結果を見てください。
    精白米+ロウカット玄米+もち麦、ロウカット玄米単体、もち麦単体で比較
    https://ameblo.jp/highbloodglucosediary/entry-12428794563.html

    ロウカット玄米+踏み台昇降運動30分
    https://ameblo.jp/highbloodglucosediary/entry-12436658051.html

    条件を揃えて測定しているつもりでも、
    日によってかなり結果がばらつきます。
    おそらく、血糖値のピーク時間もそのときどきで大きく違うと思われます。
    リブレを使えばはっきりするんでしょうけどね…

    • ホリデー より:

      highbloodglucoseさん
      初めまして。
      ブログ、拝見しました。
      30分がピークなのはしらねのぞるばさんと同じですね。
      私も自分が処理できる糖質量まで減らして実験してみたほうが良いのかもれません。
      貴重な情報、ありがとうございました。
      これからもよろしくお願いします。

    • しらねのぞるば より:

      拝見しました.

      やはり,脂質・蛋白質の存在や消化・吸収など遅延要因のないブドウ糖負荷試験はストレートに結果が出ますね.

      たしかに1,2回目と3回目とで差が出ているのですが,測定器の誤差と体調変動を考えれば,こんなものではないでしょうか? 私はExcelで血糖値のグラフを作るときは,できるだけぶっとい線幅にして判断しております.

      過去記事も(今のところ 2018年12月分まで)読ませていただきましたが,文献を深く読み込んでおられるのには感心しました.お仕事柄でしょうか.

      • highbloodglucose より:

        しらねのぞるばさん

        こんにちは。

        ブドウ糖摂取時の3回目は、わたしも今では誤差範囲だと思っています。
        というのも、その後のごはん系の測定ではもっとばらつきが激しかったからです。
        おかずなしでも、複合糖質になっただけでこれだけばらつくのだなぁと
        自分の検証結果ながら興味深いです。

        今は完全に離れてしまっていますが、分子生物学系をちょっとだけ…
        あと、糖尿病ではないですが、他の生活習慣病についての疫学研究について少し関わったことがあります。
        論文を読んでブログで紹介するのは、一人抄読会みたいな感じですね(笑)