SGLT2阻害薬を頓服(とんぷく)に

SGLT2阻害薬を頓服(とんぷく)として使っています。
薬局の薬剤師には「糖尿病の薬を頓服に使うなんて聞いたことがない」と言われました。
それを主治医に伝えたところ「薬剤師は知らないのだろうけれども、糖質制限をしている人にはホリデーさん以外にもいらっしゃいますよ」とのことでした。

頓服(とんぷく)とは

本来の意味は、食後など決まった時間ではなく、発作時や症状のひどいときなどに薬を飲むことです。
糖質制限による糖尿病治療の場合は、糖質をたくさん取るときだけ飲む薬、という意味でこの記事では使っています。

1週間程度の出張で他の人と一緒に食事をとることが多い場合や、旅行で少しは甘いものなど炭水化物を楽しみたい、というときがあります。

主治医とも相談してSGLT2阻害薬のジャディアンスを処方してもらっています。2月、3月は一週間の長期出張と旅行があるので、今回も主治医にお願いして処方してもらいました。

SGLT2阻害薬 とは

SGLTとは

SGLTとは、sodium glucose cotransporter(sodium glucose transporter)の略で、「ナトリウム・グルコース共役輸送体」と呼ばれるタンパク質の一種のことです。SGLTは、体内でグルコース(ブドウ糖)やナトリウムといった栄養分を細胞内に取り込む役割を担っています。
 SGLTの種類はいろいろあり、体内のさまざまな場所に存在していますが、SGLT2に限っては、腎臓の近位尿細管という場所に限定的に存在しているのが特徴です。近位尿細管は、血液中から取り出して必要なものを体内に取り込み、不要なものを尿として排泄する働きをします。この過程において、SGLT1とSGLT2は、グルコースを栄養分として細胞内に取り込む役割を担っています。近位尿細管で再吸収されるグルコースのうち、90%はSGLT2の働きによるもので、残りの10%はSGLT1の働きによるものです。

SGLT2阻害薬の作用機序

健康な人では、近位尿細管のSGLT2の働きによって、血中グルコースのほとんどが再吸収され、尿糖は排泄されません。ところが高血糖状態では、SGLT2の再吸収能を超えた分のグルコースが尿糖として排泄されます。‘尿に糖が混ざる’という現象は、「糖尿病」という病名の由来でもあるわけですが、その現象はSGLT2の働きの限界を示すものと言えますし、また同時に、この現象は多少なりとも高血糖の緩和に寄与しているとも言えます。
 しかし糖尿病ではSGLT2の発現が増加していることがわかっています。つまり、高血糖の緩和という観点では尿糖排泄が増えたほうが有利なのにもかかわらず、逆に血糖値をより高いレベルに維持するような悪循環が作られてしまっているわけです。

以上、糖尿病リソースガイドがら引用させていただきました。

要するに、強制的に糖尿を作り等を体外に排出することで血糖値を下げるものです。

一日当たり70g~90g程度の糖を排出することができるようです。

副作用

発売当初、死亡例が数件あったようです。

脱水症状にならないように、水分補給には気をつける必要があります。
(といっても普通以上に水分をとる必要があるのではなく、普通にとればよい、との主治医のアドバイスでした)
尿でブドウ糖を排出するので、尿路感染・性器感染に要注意です。

 

SGLT2阻害薬の副作用としてもっとも多く報告されている副作用は皮膚関連だそうです。

主治医に聞いた話でも、発疹や口内炎が出るケースがある。服用して一日で出る場合もあれば2週間で出る場合もある、とのことでした。

発売4年しかたっていませんから、長期的服用での副作用がない保証はありません。

私の使用法

血糖コントロール効果―使用実感

・血糖値のピークを抑える効果はあまりない
・ピークの後は血糖値を下げる

例えば、糖質を40~50gとると私の場合250くらいまで血糖値が上がると想定されますがジャディアンスの服用でピークは210~220 その後1時間で空腹時血糖値(110~120)まで下がります。

薬を服用しない場合、200を超える血糖値上昇の場合、空腹時血糖値まで下がるにはピークの後3時間から4時間かかります。ですから、血糖値が下がりきらないうちにまた食事をして高い血糖値を維持するという悪いサイクルに入る危険性があります。

私の場合、ジャディアンスの服用はピーク抑制の効果は低いが、平均血糖値の維持(上昇させない)には有効と思われます。
加えて、服用後3,4日は起床時の血糖値が低め(通常110程度が100程度)になります。
(これは人によるようです)

使用法

血糖値スパイクを防ぐ血糖コントロールには血糖値の上昇を遅らせる薬との併用がより有効かもしれません。そのような薬の処方はしてもらっていないので、ゆっくり食べる、糖質を食事の最後にとる(旅行の場合はご飯やデザートは大体最後に食べるのでちょうどよいといえばちょうどよいです)ようにしています。

ジャディアンスを服用することで、旅行などの際に、ちょっと糖質をとってもよい(ハンバーガーのバンズを半分食べる、とか、食後に小さいアイスを食べる、炊き込みご飯や雑炊を少し味わう 蕎麦を半人前程度食べるなど)ことにしています。

旅を楽しんだり、一緒に食事をする人に必要以上に気を使わせないことが目的です。糖尿病治療や食事制限が制約になりすぎないようにしたいと思うようになっています。
半年で20錠ほど使っているので、平均すれば10日に1錠強、くらいの頻度です。飲むときは一週間連続、といった使い方です。

一日単位、一食単位でも使えるとは思いますが、それをやると私の場合、ずるずると糖質をとる危険性もあるので、特別の時だけに限定しています。頻度が少なければ副作用の可能性も低いのではないか、とも思っています。

コメント